クロスオーバー比較試験とは

毎年、さまざまな新薬が開発されていますが、現代では発売される前に治験を行うことが必須となっています。治験で効果がみとめられ、患者さんの利益がリスクを上回ると判断されてはじめて、新薬として承認されます。

正確な情報を提供するためにも、適切な試験方法やデータ解析を用いることが必要です。

薬の効果を確認する治験

治験とは、未承認の薬を健常者や患者さんに使用することにより、ひとでの効果や安全性をチェックする臨床試験です。

臨床試験において重要となるのが、目的とする情報を得られるように適切な試験デザインを選択することです。試験デザインは、並行群間比較試験やクロスオーバー比較試験、要因試験などいくつかありますが、それぞれ特徴があり、治験の内容により適する試験は異なります。

今回はその中から、クロスオーバー比較試験を紹介します。

クロスオーバー比較試験とは

クロスオーバー比較試験は、治験の目的となる薬(被験薬)と比較対象としてもちいられる薬(対象薬)を互いにずらして投与し、それぞれの結果を解析する方法です。

対象者を2つに分け、A群に被験薬、B群に対象薬を投与した後、必要な期間の休息をもうけて、今度はA群に対象薬、B群に被験薬の投与をおこないます。

すべての対象者に被験薬と対象薬が投与されるため、同一の対象者について異なる治療法を比較することができます。また、データのばらつきが少ないため、並行群間比較試験にくらべて症例数が少なくてすむこともメリットのひとつです。

デメリットとしては、クロスオーバー比較試験は長い期間での試験が必要となるため、対象者にとって負担になることや、薬を入れ替える際、前の薬の効果が残らないよう休薬期間をもうける必要があることがあげられます。

まとめ

試験が長期間に渡ることから、本試験は自然治癒するような急性期疾患には向かず、比較的症状の安定している慢性疾患にもちいるのが適切とされています。また、薬効の発現、消失が早く、治療効果が可逆的である場合に向いている試験方法です。

正確な情報を得るためには、適切な試験デザイン、統計解析を使用する必要があります。私たちが安心して治療をうけるために、今後も正確で精度の高い情報が発信されることが望まれます。

 

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