ヒポヒゲ - Part 60

パラリンピック競技:ボッチャとリハビリテーション

  ボッチャとは、ヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺、またそれと同程度の四肢の障がい者のために考案されたスポーツです。 現在ではパラリンピックの正式種目となっています。ボッチャとはイタリア語で木のボール、ボーリングのボールの意味で、起源は古代ギリシャの球投げに由来するとされ、 6世紀ごろイタリアで今日のルールに近いものができたとされています。今では世界で40か国以上に普及しているポッチャについてお話しします。 ボッチャは男女混合     競技は男女の区別なくの後述するクラスに別れて行われます。 男女混合の競技というのは非常に珍しく、オリンピック種目では混合ダブルスと馬術のみになります。 試合は個人戦と団体戦(2対2のペアと3対3のチーム戦)がありますが、投げる球数は6球で個人戦ではエンド4、団体戦ではエンド6まで競います。 ボッチャのルール ルールは最初に投げるジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青それぞれ6球ずつボールを投げ、転がし、他のボールに当てて、いかに近づけるかを競います。 カーリングに似ていますが、異なるのは目標地点が固定されていない点にあります。 最初の投球でボール位置が決まってもボールを当てて動く可能性もあるからです。 6個のボールを投げ終わると1エンドが終了となり、まずは一番近かったボールを判定します。 遠かった方の、ジャックボールに一番近いボールとジャックボールを結んだ線を半径とした円の中に、 ジャックボールに近い方のボールが何個あるかが得点となり、全エンド終了の段階で点数が多い方が勝ちとなります。 ボッチャのクラスわけ 本競技の特徴として障害によってクラスが分類されています。   投げる 足蹴り 勾配具 介助者 内容 BC1 ○ ○ × △ 車いす操作不可で四肢・体幹に麻痺がある脳性麻痺者か、下肢で車いす操作可能な脳性麻痺者(足蹴りで競技) 個人の部とチームの部がある BC2 ○ × × × 上肢で車いす操作可能な脳性麻痺者 個人の部とチームの部がある BC3 × × ○ ○ 投球不可のため、介助者により勾配具(ランプ)を使用し競技する者(脳性麻痺以外の障害も含む)個人の部とペアの部がある BC4 ○ ○ × △ BC1・2と同等の機能障害がある脳性麻痺以外の重度四肢麻痺者(頚髄損傷、筋ジストロフィーなど) 個人の部とペアの部がある   ※△印は必要に応じて認められる <日本ポッチャ協会より抜粋> ボッチャのゲームの流れ 障害の程度によりクラスが分かれていて、同じクラスの選手どうしが対戦します。 クラスはBC1、BC2、BC3、BC4、オープンの5つで、オープン以外の4つのクラスがパラリンピック等の国際大会での対象クラスとなります。 基本は投げることで競技を行いますが、 障害の度合いによっては足蹴りやBC3であればボールを投げることができなくても、勾配具を用いて投球の代償を行います。 勾配具とは雨どいのようなものでボールを斜面から転がすことができます。 この勾配具の向きを変えるのは介助者に手伝ってもらうことができるので自分の意思を介助者に伝えることができればプレイすることが可能となります。     なお、ボールを転がす動作自体は競技者が行います。 これは重度四肢麻痺においても頭頸部の動きは残存していることが多い点にあります。 日本もパラリンピックに3回出場しており、2016年のリオデジャネイロ五輪では銀メダルを獲得し、同年の国際大会でも3つのメダルを獲得しています。 ボッチャとリハビリテーション リハビリの観点から考えると、障害の程度に応じて社会参加活動ができるという点が一番優れていると思います。 また、クラス毎の要件が定まっているので必要とする機能の獲得の目標は定めやすいと思います。 まだまだ認知度が低く以前は海外渡航費が自費であり、現在も選手が募金活動を行うなど厳しい状況です。 2016年度のリオオリンピックのメダル獲得をきっかけとして今後の活動に期待したいです。 Continue Reading ->

TRF-ブデソニドがIgA腎症の治療に有効という報告

  IgA腎症は、糸球体に慢性的な炎症がみられる腎臓の疾患であり、難病に指定されています。 決して予後がいいと言える疾患ではなく、より効果的な治療法が望まれています。 2017年3月に発表された論文で、ブデソニドがIgA腎症に有効な治療薬となる可能性を報告しています。 Continue Reading ->

カロリー制限すると長生きできるのか アカゲザルの研究から

  お医者さんにかかると「食べすぎですよ、すこし食べる量を減らしてやせてください」と言われる方も多いと思います。 カロリー制限を行うことで本当に長生きできるのか、気になる方も多いでしょう。   Continue Reading ->

オーソライズドジェネリックとオートジェネリックとジェネリックの違い

  医療保険の財政改善や患者の負担を軽減することを目的として、国ではジェネリック医薬品の使用促進に取り組んでいます。 平成30年から32年までにジェネリック医薬品の数量シェアを80%以上にすることを目標に、積極的にジェネリック医薬品を推奨しています。 そのため最近では、ジェネリック医薬品という言葉を耳にすることが増えてきました。 実は、ジェネリック医薬品と一言でいってもいくつか種類があることをご存知でしょうか。 ジェネリック医薬品とは     ジェネリック医薬品とは、先発品と同じ有効成分を同じ量含み、同等の効果、安全性が認められた薬のことを指します。 先発品に比べ研究開発費が抑えられることから、価格が安くなることが特徴です。 通常のジェネリック医薬品(GE)とよばれる薬は、先発品の特許が切れたあとに発売が開始されます。有効成分は先発品と同一ですが、 それ以外の添加物が異なるため先発品と全く同じ薬というわけではありません。 同じ薬ではありませんが、同等性がみとめられるだけでなく、形状や味などが改良され、飲みやすく工夫されている薬も数多くあります。 オーソライズドジェネリックとは これに対し、先発品の特許がきれる前に販売が許可されることがあるジェネリック医薬品をオーソライズドジェネリック(AG)といいます。 AGは先発品を販売しているメーカーがジェネリック医薬品メーカーに特許の使用権を与えてつくった医薬品です。 有効成分だけではなく、添加物なども含めて先発品と同一の薬のことをさします。 日医工では、AGの中でも製法、製造所などが先発品と同じジェネリックのことをオートジェネリックとよび、区別しています。 オートジェネリックとは たとえば、日医工から発売されているフェキソフェナジンやクロピドグレルはオートジェネリックとよばれます。 AGは添加物も同一であることから、一部の医療従事者や患者がもつ、 ジェネリック薬使用によって生じる症状変化への不安感や不信感を取り除くことが期待されています。 AGを含めジェネリック医薬品の有効成分は同一であるため、適応はすべて同じだと思いがちですが、 じつはGEとAGでは適応が異なることがあります。 先発品とAGとGEで適応症が異なることがある 一例として、クロピドグレルが発売になった際の適応症の違いが挙げられます。 先発品であるプラビックスは 1)虚血性脳血管障害の再発抑制 2)経皮的冠動脈形成術が適応される急性冠症候群・安定狭心症・陳旧性心筋梗塞 3)末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制に適応がありましたが、 AGでは1)とその当時まだ特許が残っていた2)への適応が承認され、 GEでは1)のみの承認でした(※現在ではAG、GEともに先発品と同じ適応症となっています)。 ジェネリックが発売されたときには注意が必要 このように、適応症によって特許期間が違うと、同じジェネリック医薬品でもAGとGEでは発売時の適応症が異なることがあります。 今後さらなるAG、GEの普及からこういった違いが増えることが予想されますので注意が必要です。   Continue Reading ->

糖尿病患者さんへのサポート 糖尿病療養指導士・支援士

  2015年の厚生労働省調査で日本の糖尿病患者数が316万6000人と報告がありました。2011年の調査から46万6000人の増加となっています。成人男性の15.5%、成人女性で9.8%が糖尿病です。 東京糖尿病療養指導士と東京糖尿病療養支援士とその違い 国民病と言える糖尿病を防ぎ、患者さんのケアを行う専門職の育成を目的に、今年の3月に東京糖尿病療養指導士(CDE)と東京糖尿病療養支援士(CDS)という資格の認定機構が設立されました。 本機構の目的は、東京及びその近県の糖尿病及び糖尿病予備軍の患者さんにより良い医療、より適切なサポートを行えるように専門知識をもつ人の育成を行います。 すでに日本糖尿病療養指導士認定機構という全国的な団体がありますが、都心の糖尿病患者さんが増えているため、地域に根差した組織となります。 CDEとCDSは対象職種と役割が少し異なります。 CDEは医療専門職を対象とし、臨床において糖尿病患者さんの治療を行うことを目的としています。CDSは介護保険や健康増進を担当する自治体職員から医薬品登録販売者など幅広い人を対象にしています。 今後の糖尿病治療への期待 今回は東京糖尿病療養指導士と支援士についてお話ししました。どちらの資格も東京及びその近県の糖尿病患者さんのケアと糖尿病を予防する目的で設立されています。 糖尿病の患者さんは目がみづらくなったり、腎臓がわるくなったり、手足が痺れたりさまざまな症状に悩まされます。 糖尿病にかんする知識がより多くの人にひろまり、指導・支援する人が増えて多くのひとの助けになることが期待されます。 参照:東京糖尿病療養指導士認定機構 Continue Reading ->

これから腹膜透析が普及する? 腹膜透析と極細内視鏡

  透析と聞くと、週3回1日4時間程度の治療時間が必要で大変困難な治療をイメージする方も多いのではないでしょうか。 実は、透析にも2種類あり、日本の透析の大部分をしめる血液透析以外に、腹膜透析という治療法があります。 今回は、この治療法について説明したいと思います。 Continue Reading ->