写真はイメージです。photo by Nick Kenrick
アルコールを適度に摂取することは体にメリットがあると言われています。しかし、過度の摂取は依存症を引き起こす可能性があります。一度依存症になってしまうと、元の生活に戻るまで大変な苦労を要します。
インドのとある村はアルコール依存症や不法賭博が盛んでしたが、一人の男性がチェスを普及させたことで、アルコール依存症や違法ギャンブルに溺れる人がいなくなりました。
チェスを広めた一人の男性
インドの北部、ケララ州の人里離れた森林地帯にマロッティチャルという村があります。
50年ほど前、インドの多くの村ではアルコール依存症や不法賭博がはびこっていました。マロッティチャルでも、少ない人口の多くがアルコール依存症と不法賭博に溺れていました。
そんなマロッティチャルの人々の心を救ったのは、ウニクリシュマンさんという男性です。
ウニクリシュマンさんはマロッティチャル出身ですが、当時、マロッティチャルに程近いカルールという町に住んでいました。彼はここでチェスに出会い、その楽しさに熱中する日々を送っていました。ある日、彼は故郷にアルコール依存症や不法賭博がはびこっているという現実を耳にします。
大切な故郷を悲しい現実から救うため、彼は故郷に帰ることを決意。アルコール依存症や不法賭博に溺れる人々を健全な方法で救うため、チェスをプレイできるティーショップを開きました。
チェスによりアルコール依存症や不法賭博の撲滅に成功
「おそらく、インドの他の村ではチェスを知っている人は多くても50人未満だと思う。しかし、マロッティチャルでは人口6000人に対し、4000人がほぼ毎日チェスをしています。」
マロッティチャルチェス協会会長のジョンさんはこう話します。
ウニクリシュマンさんがマロッティチャルにチェスを持ち込んだことにより、チェスの普及に伴い奇跡的に飲酒やギャンブルは減少していきました。
ウニクリシュマンさんはチェスのメリットとして、集中力を向上させ、文字を構築し、コミュニティーを作成すると話しています。学校ではチェスはシラバスに取り入れられ、子どもたちはスマートフォンのオンラインプレイでチェスを楽しんでいると言います。
ウニクリシュマンさんはチェスに対し、
「チェスは私たちが困難と苦難を克服するのに役立ちます。チェスボード上では女王を取るために戦っています。我々はまた、日常生活の中で苦難を戦っています。」と話しています。
この考え方がマロッティチャルの人々に広く共感を呼び、アルコール依存症や不法賭博から立ち上がる勇気となったのでしょう。今日もチェスはマロッティチャルの人々の心を豊かにしています。
参照:BBC
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