[リンゴの香りのカモミール]
ハーブティーやアロマオイル、精油として知らず知らずのうちに、「カモミール」を使ったことがあるかたも多いのではないでしょうか。
カモミールの歴史は古く、4千年以上前のバビロニアで薬草として使われていた記録があり、古代エジプトや古代ギリシャでも用いられていました。
カモミール photo by pixabay
ヨーロッパ最古の民間薬といわれ、いまも多くのカモミールが使われ、医薬品にも指定されています。カモミールの花はリンゴに似た香りがあります。「大地のリンゴ」という意味の古代ギリシャ語の「カマイ・メロン」が語源です。
カモミールにはいろいろな種類がありますが、ハーブとして使用されるのは「ハーブティーとして使われるジャーマンカモミール」と、苦みが強いために「精油として使われるローマンカモミール」の2種類です。
成分がまったく同じというわけではありませんが、薬効としてはどちらのカモミールも大差ありません。
カモミールにはさまざまな薬効があります。代表的な薬効をみてみましょう。
「カモミールの薬効はなに]
◇リラックス効果と安眠効果が期待できます
カモミールに含まれる「アピゲニン」が自律神経のバランスを整え、甘いりんごのような香りが心の緊張をゆるめるといわれ、からだにリラックスや安眠をもたらします。
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◇胃の調子をととのえ、胃痛や胃炎にも
「アピゲニン」の作用で血流を改善し、からだを温めて胃腸の調子を整え、「マトリシン」が緊張をやわらげます。胃痛を鎮め、胃炎による炎症を抑え、粘膜保護の効果があるともいわれています。
◇生理痛や冷え性を改善
カモミールには、平滑筋という筋肉の組織を落ち着かせる作用があり「生理痛」を軽減し、血流をよくする効果もあるので「冷え性」にも効果的であるのではないかといわれています。
カモミールは学術論文でも取り上げられています。
北海道大学の論文「植物カモミールの摂食が心身に及ぼす効果」では、「カモミールの摂食が末梢皮膚温の上昇、心拍数の低下、自律神経系を副交感神経優位にすることから、リラックス効果の上昇および睡眠効果の改善がみられる」と報告しています。
[ハーブを使用するにあたって]
カモミールの幅広い薬効は子供から高齢者まで用いることができますが、使用を控えた方がよい場合があります。
カモミール茶 photo byMaxPixel
・子宮を収縮させる作用があるために妊娠中の場合には「流産や早産を招きやすい」可能性があります。
・ブタクサなどキク科の草にアレルギーがある場合は、「アレルギー症状を誘発」する可能性があります。
また、少しでも、「おかしいな」、「あわないな」と思ったら使用をやめましょう。自分にあったハーブの楽しみ方を見つけてくださいね。
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