アルコール依存症の4つの特徴<後編>

アルコール依存症の特徴は


<前編>ではアルコール依存症へのプロセスをみてきました。後編では自分や家族がアルコール依存症かどうかについてのテストからみてみましょう。

このテストは「CAGEテスト」といわれ、質問のキーワードとなる頭文字を取ったものです。

1.飲酒量を減らさなければいけないと思ったことがありますか(Cut down)
2.ほかの人にあなたの飲酒を批判されて腹がたつ、いらだつことがありますか(Annoyed by criticism)
3.自分の飲酒に後ろめたい気持ちや罪意識を持ったことがありますか(Guilty feeling)
4.朝酒や迎え酒をしたことがありますか(Eye-opener)


このテスト以外にもWHOが定めたテスト、AUDITテスト、KASTテストなどがあります。CAGEテストは、もっともシンプルなテストです。アルコール依存症が疑わしい人を早期に発見して、お酒を飲むコントロールを失う前に介入することも可能です。

いずれかの項目が1つでもあてはまる場合にはお酒の飲み方を考え直すことが必要です。2項目以上あてはまる場合にはアルコール依存症の疑いあります。専門病院で相談したほうがいいでしょう。

写真はイメージです。 photo by photo-ac


アルコール依存症は一般的にお酒を飲むことが習慣化してから男性は10年~20年、女性はその半分でなるといわれています。また、未成年から飲酒を重ねた場合にはアルコール依存症のリスクが3倍になるというデータもあります。

このようなアルコール依存症から抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか。

アルコール依存症から抜け出すには


アルコール依存症は一度なってしまうと治りません。しかし、回復することは可能です。

それには、お酒を完全に断つ「断酒」をすることが必要です。アルコール依存症は自分で意志では治せない病気です。まずは、専門病院を受診しましょう。

アルコール依存症の人は「自分はアルコール依存症ではない」、「自分はお酒を飲まなければ何の問題もない」と病院を受診しないことがみられます。アルコール依存症は「否認の病気」ともいわれています。

まずは、本人が病気だという認識が必要になります。このままではだめだということを理解して、治療することへの動機づけをしなくてはいけません。

家族にアルコール依存症を疑われる人がいる場合、家族がお酒を飲むこと注意しても聞かない事が多くみられます。ひどくなると暴力につながってしまう場合もあります。

まずは、家族がアルコール依存症は病気であると認識することが必要で、本人へ時間をかけて説得する必要があります。

しかし、どうやったらいいのかわからない、アルコール依存症の患者との接し方わからないなどアルコール依存症の家族会や専門病院に相談してみましょう。

写真はイメージです。photo by irasutoya


アルコール依存症になってしまうと断酒することは難しいことです。断酒できても、また、お酒を飲んでしまうとすぐに再発します。

しかし、本人が一人で抱え込んでしまうのは大変なことです。そのために電話相談やアルコール依存症の人が一人で抱え込むことがないように手助けする自助グループがあります。

○特定非営利活動法人 ASK(アスク)

アルコールをはじめとする依存性薬物の問題について予防、健康の維持、回復を目的としたNPO団体です。電話相談では各地の相談先や自助グループを紹介してくれます。

○全日本断酒連盟(断酒会)

1963年に始まったアルコール依存症の自助グループで全国に600以上ある断酒会の集まりです。依存症者が互いの体験を話し合う例会を各地で開催しています。この会には家族も参加できます。

AA(エイ・エイ=Alcoholics Anonymous)

アメリカで1935年に誕生したアルコール依存症者の集まりです。日本では1975年から活動しています。

全国に300のグループがあります。12ステップを使ったミーティングが行われています。依存症者本人だけが集まる「クローズド・ミーティング」、家族や関係者など誰でも出席できる「オープン・ミーティング」などを行っています。


そのほかに、各地域にある保健所や精神保健福祉センターでアルコール依存症の相談を電話で受け付けています。勉強会を行っている医療機関もあります。アルコール依存症で悩んでいるかたや家族のかたは、一度、相談してみてはいかがでしょうか。

写真はイメージです。photo by pixaboy


お酒を楽しむ事が悪いと言うことではありません。しかし、適度な量で抑えることや飲み方を考えることが重要です。過度な飲酒とならないようにお酒を楽しんでくださいね。

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