キューバでアメリカの政府職員に健康被害が

キューバの首都ハバナで、アメリカの政府職員に神経学的な所見がでているというJAMAからのニュースです。

Clinical Findings and Outcomes in US Government Personnel Reporting Directional Sensory Phenomena in Cuba
This case series describes findings from the clinical evaluation of US government personnel reporting symptoms after exposure to directional audible and sensory...

キューバという国に馴染みのないひとも多いでしょう。まずは、キューバという国を紹介します。

キューバとは

キューバは、中南米、アメリカの南にある国で、東西に細ながい面積11万平方キロメートル、人口は1100万人の国です。日本で言えば、大きさは本州の半分、人口は東京都程度のカリブ海最大の島国です。


キューバの位置 photo by photo AC

キューバの歴史を簡単にひもときます。

1500年前後からのスペイン植民地時代を経て、アメリカからの助けをもとに、1900年前後に独立戦争をおこし、1902年キューバ共和国の独立をはたします。

この時期キューバは、「アメリカ合衆国の裏庭」と呼ばれるほどアメリカとの蜜月関係をきずきます。しかし、アメリカ資本の流入、汚職から国民の不満は深まり、弁護士のフィデル・カストロ、アルゼンチン医師のチェ・ゲバラを中心にキューバ革命がおこり、1959年に反米・親ソ連の社会主義政権が成立し、いまにいたっています。

2015年には、59年ぶりにアメリカ・キューバの首脳会談がおこなわれましたが、2017年以降ドナルド・トランプ大統領が就任以降は、キューバに対して厳しい姿勢を示していました。

アメリカ政府職員の神経学的異常

そんな緊張感のあるアメリカとキューバの関係がありますが、今回2016年後半から2017年8月にかけて、キューバのハバナで、外交官として働くアメリカ政府職員の神経学的異常を報告しています。

なんらかの被ばくを受けた疑いのある半数以上に、認識能力、平衡感覚、視覚、聴覚の障がい、睡眠障害、頭痛の症状を認めました。


写真はイメージです。photo by photo AC

調査を受けた21人のうち、18人は、家やホテルで症状が始まる際に、斬新で特徴的な音を聞いたそうです。

画像検査では、MRIで一部非特異的なT2強調があったものの、概ね正常範囲内でした。

おのおのに個別のリハビリプログラムが組まれましたが、6割以上の人は仕事に復帰することができませんでした。

今回の報告では、今後も研究は継続するとともに、米国国務省の公式見解を正式に反映しているわけではないと結ばれています。

 

今回のニュースでは、生物学的な兵器が用いられたとする公式見解ではないですが、今後のアメリカ、キューバ関係に影響をあたえそうです。最近では、シリアのアサド政権が生物化学兵器を使用したニュースもあり、緊迫した状況にある地域では注意が必要ですね。

 

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