続きです。
次の文を読み94~96の問いに答えよ。
Aさん(37歳、女性、会社員)は、夫(38歳)と2人暮らし。身長155cm、体重57kg。Aさんは、入浴中に右胸のしこりに気づき、病院を受診した。乳房超音波検査で右乳房外側下部に、直径約3cmの腫瘤が認められた。医師から乳癌の可能性が高いと説明され、検査を受けたところ、右乳癌と診断された。
94 確定診断のため、Aさんに行われた検査はどれか。
- MRI
- 針生検
- PET-CT
- マンモグラフィ
画像診断で「乳がんの疑いあり」と判定された場合は、がん細胞があるかどうかを調べる「細胞診」、「組織診(針生検)」が行われ、その結果と合わせて、乳がんの確定診断が行われます。
よって答えは2になります。
95 Aさんは、乳房温存療法を希望したが、腫瘤が大きいため手術前に化学療法を受けることになった。術前化学療法としてEC療法(エピルビシン、シクロホスファミド)を3週ごとに、4サイクル受ける予定である。
Aさんに起こりやすい障害はどれか。
- 嗅覚障害
- リンパ浮腫
- 卵巣機能不全
- 末梢神経障害
エピルビシンの副作用には吐き気、脱毛、白血球減少、口内炎などがあります。
シクロホスファミドの副作用には吐き気、脱毛、白血球減少、卵巣機能障害などの副作用があります。
よって答えは3になります。
96 Aさんは、職場の上司と相談し、仕事を継続しながら化学療法を受けることになった。2サイクル目の治療のため、化学療法センターに来院した。Aさんは「1回目の治療のあと、数日間身体がだるくて食欲もなく、体重が1キロ減りました。仕事も休みました」と看護師に話した。
身体所見:体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍70/分、血圧120/74mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%。
検査所見:赤血球400万/μL、Hb 12.5g/dL、Ht 37%、白血球2,300/μL(好中球55%、単球5%、好酸球4%、好塩基球1%、リンパ球35%)、血小板18万/μL、総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.5 g/dL、尿素窒素13mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、CRP 0.3mg/dL。
2サイクル目の化学療法を受けたAさんに行ってもらうセルフモニタリングで最も重要なのはどれか。
- 脈拍数
- 体温
- 血圧
- 体重
がん治療を行う場合、骨髄抑制にともなう血球減少が問題になります。特に好中球が減少すると感染症のリスクが高くなり、発熱性好中球減少症を引き起こした際には、適切な抗菌薬治療を速やかに開始しないと重症化するおそれがあります。
発熱性好中球減少症は、腋窩温で37.5℃以上の発熱があり、好中球数が500/mm3未満、もしくは1,000/mm3未満で48時間以内に500/mm3未満になることが予測される状況をいいます。
よって答えは2になります。
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