めまいは非常に頻度の高い症状のひとつで、薬での治療が中心です。多くの患者さんは薬でめまいがよくなりますが、一部の患者さんでは、症状が長引くことがあります。
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そのような患者さんに対して有効なリハビリテーションが、なかなかありませんでした。
近年になり日本でも独自のめまいに対するリハビリテーションが開発されています。今回めまいに対するリハビリテーションの1つを紹介します。
めまいのリハビリテーションの特徴
めまいのリハビリテーションはバランス機能の回復を目的とした訓練で、運動時の体のずれを自分で修正する力を取り戻します。
バランス機能には眼球、耳、頸、足底の4つの感覚が大切です。4つの部位を刺激して再度教育して、めまいを改善していきます。
リハビリテーションの方法には座って行うものと立って行うものがあります。まずは座って行うリハビリテーションを紹介します。
座位のリハビリテーション
座って行うリハビリテーションには目の運動と首の運動があります。目の運動は首を動かすことなく親指を立てた指先を目で追っていきます。
右手で行う場合、左手でアゴを抑え右腕をまっすぐ伸ばして左右に動かします。その際、親指を立てておきそれを目の運動のみで追っかけます。
首の運動にはふりかえる動作と上下の運動があります。
ふりかえる動作は方向転換時など振り返る時にクラッとする場合に行います。体の正面に腕を伸ばし親指を立てて、左右に30度動かします。それを目で追いながら左右に30度首を回します。
首の上下の運動は、頭を上下に動かしクラッとする場合に行います。体の正面に腕を伸ばし親指を立てて、上下に30度動かします。それを目で追いながら上下に30度首を動かします。
指標となる親指をしっかり目で追うことが重要です。
立位のリハビリテーション
立位でのリハビリテーションは50歩ほど足踏みします。これはまっすぐ歩けない、歩いていると左右にふらつく場合に行います。
両手を肩の高さまであげ、その場で50歩ほど足踏みを行います。
はじめは転倒しないように目をあけて行いますが、慣れてきたら目をとじて行います。
めまいリハビリテーションの根拠
今回紹介したリハビリテーションはスケート選手が回転時に目を回さないようにしていることに通じます。
医学的にいうと、リハビリテーションを行うなかで、眼振が誘発されてめまいがでてきますが、何度もめまいがでてくるとめまいが出にくくなるResponse Decline(RD)現象が起きます。
つまり、リハビリテーションで何度も小さなめまいが引き起こされ、それに徐々に慣れていくということです。
めまいを治してもと通りの生活をめざす
めまいのある患者さんは症状の苦しみからなかなかリハビリがすすまないことがあります。
症状がつらいから寝ておくのではなく、積極的にリハビリテーションをおこない、少しでもはやく元通りの生活に戻ることを目指します。
めまいの症状に悩まれている方は試してみてはいかがでしょうか。
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