考案者はイケメン!?ロールシャッハ・テストをより役立たせるために

「ロールシャッハ・テスト」という名前をどこかで聞いたことがあるような……、という方は、それなりにいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、ロールシャッハ・テストは、テレビゲームやスマホアプリの中でストーリーあるいはアイテムの一環として登場することもあるくらい、有名になりつつある心理検査です。今回は、ロールシャッハ・テストに興味を持っていただき、いざ受けるという時に役立つ情報をお伝えできればと思います。

ロールシャッハ・テストとは


ヘルマン・ロールシャッハ photo by WIKIMEDIACOMMONS

ロールシャッハ・テストは、三大投影法のひとつです。精神科だけでなく、臨床センターや個人のカウンセリングルームでも実施頻度が高い心理検査です。そんなロールシャッハ・テストを考案した「ヘルマン・ロールシャッハ」は、心理学を学ぶ人々の間でイケメンとして有名です。

実施方法は、患者さんに10枚の図版を1枚ずつ見せ、「何に見えるか」を答えていただくというものです。主にその人の「知的水準」、「パーソナリティ」、「病態水準」を把握することができます。

対人関係や情緒的側面、ストレスの特徴など、細かい部分が見えてくる場合もあります。「何に見えるか」と聞いて、「想像力に自信がない……」と敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、想像力だけでは、内面は決まりません。大切なのは、見えたものを検査者に伝えることです。

フィードバックは検査者からがオススメ

ロールシャッハ・テストの目的は実に様々で、統合失調症などの精神疾患、発達障害などの鑑別の他、今後の治療やカウンセリングの方針決定、患者さん自身が自己理解を深めることなどがあります。

精神科では、検査結果は、医師からのフィードバックのみで終わることが多いですが、実際に検査を実施した検査者(主に臨床心理士です)からもフィードバックを受けることをオススメします。

なぜなら、医師から患者さんに伝えられることは、検査結果のほんの一部分だからです。「落ち込み気味ですね」、「精神的に弱っていますね」という説明では、患者さんはどうしたら良いのかわかりません。ロールシャッハ・テストは、それなりにエネルギーを使う心理検査です。そのため、是非、自分自身に役立つ情報のフィードバックを検査者から受けましょう。

ロールシャッハ・テストを自分に役立たせるためには

例えば、あなたは「何故か気分が落ち込む。仕事は順調だし、人間関係も悪くないのにどうして?」というお悩みを抱えているとします。このお悩みを事前に検査者に伝えておきましょう。

すると、検査者は、お悩みに関係しそうな部分をきちんとフィードバックしてくれます。「もしかして、責任感が強すぎて、人一倍仕事にエネルギーを注いでいませんか?」、「あなたは、他者に非常に気を使って過ごしているのではありませんか?」などです。

このような特徴があったとすれば、こころのエネルギーの消費が激しく、気分の落ち込みに繋がってもおかしくありません。


写真はイメージです。 photo by PublicDomainPictures.net

フィードバックを受けたことで、患者さんはハッとして、自己理解が深まることで、悩みの根本にたどり着き、改善するにはどうしたら良いのか考え始めるかもしれませんね。

ロールシャッハ・テストを実施することによって見えてくる部分は実に様々です。医師が治療方針の手がかりを得ることは、最終的には患者さんのためになりますが、患者さん自身も自分の目的を検査者に伝え、自己理解を深めることで、より良い治療へ進むことでしょう。

 

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