意外に多いピーナッツアレルギー その他のナッツにも注意を

お菓子を買うさいに、よく袋をみてみると、アレルギーの成分表示がされていますね。また、この工場では、こういったアレルギー成分の製造も同時におこなわれています、と記載されていることもあります。

これらは、消費者庁によってさだめられた、表示義務のある成分と任意表示とよばれる、表示を推奨される成分とにわかれています。表示義務のある成分には、「卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに」があり、任意表示とされる成分には、いっぷう変わった「カシューナッツ、まつたけ、あわび」などを含む20の成分があります。


表示義務のある7成分 photo by illust-ac

意外に多いピーナッツアレルギー

今回紹介するのは、意外に頻度の高いピーナッツアレルギーです。ちなみに、落花生とピーナッツは似て非なるもので、落花生は殻付きのものを、ピーナッツは殻をむいて食べられる状態になったものをよびます。

日本におけるピーナッツアレルギー患者さんの数は、小児を中心として増加傾向で、平成23年の即時型食物アレルギー全国モニタリング調査によると、即時型アレルギー症状(食べてすぐにでてきたアレルギー症状)で医療機関を緊急受診した原因では、鶏卵、牛乳、小麦に次いで4番目にピーナッツが多いといわれています。

特に、ピーナッツアレルギーの初発年齢は低く、2~3歳では、魚卵・鶏卵についで3番目に多いアレルギー成分でした。


写真はイメージです。 photo by pixabay

ピーナッツとピーナッツアレルギー

お菓子や、お酒のおつまみなど口にする機会が意外とあるピーナッツは、植物学的には、大豆とおなじマメ目マメ科に属する植物です。ただ、アーモンドはバラ目バラ科、任意表示に含まれるカシューナッツはムクロジ目ウルシ科と、見ためには似ていても異なる分類に属しているナッツがあります。

ピーナッツの主要なアレルゲン(アレルギーの原因)は、Arah1、Arah2、Arah3とよばれ、とくにこの中でもArah2が重要なアレルゲンであり、ピーナッツアレルギーの診断の要となっています。2014年から、Arah2を標的としたArah2-sIgE検査が保険収載され、診断にもちいられています。

また、ピーナッツアレルギー患者さんには、他のナッツ類アレルギーを合併する割合が高いのではないかといわれていて、報告によって幅はあるもののおよそ10~40%でその他のナッツ類アレルギーがあると言われています。

このため、ピーナッツアレルギーの患者さんでは、その他のナッツにも注意が必要で、積極的に他のナッツアレルギー検査をしたほうがいいのではないかという指摘もあります。


写真はイメージです。 photo by pixabay

ピーナッツアレルギーの注意点

ピーナッツアレルギー患者さんでは、ピーナッツを食べないだけでは、対応として不十分で、ピーナッツオイルが含まれる可能性のあるあらゆる食品やその他のナッツ類にも注意が必要であり、本人、家族の負担は想像以上に大きいです。

近年、学校給食でピーナッツの使用を制限する自治体も増えてていますが、いっぽうで、すべてのナッツ類を根拠なく制限することは、子どもの生活にマイナスとなる可能性もあるため、より個別にアレルギーを診断することが望まれています。

 

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