赤ちゃんとの「ふれあい」 赤ちゃんの脳の発達に良い影響を与える!?

[赤ちゃんとふれあうことは大事なの]

赤ちゃんを育てていくのはいろいろとたいへんな事も多いですよね。でも、赤ちゃんを見ていると思わず抱きしめたり、頭をなででみたり、キスしてみたりしたことはないでしょうか。おかあさんやおとうさんは意識せずに自然と赤ちゃんとふれあっていることでしょう。

赤ちゃんとの「ふれあい」についてはさまざまな研究が行われてきていろいろなことがわかっています。ふれあいは赤ちゃんのこころとからだの発達にたいへん重要なことであると考えられています。

ふれあうことで赤ちゃんの脳から安らぎを感じるホルモン「オキシトシン」が分泌されて情緒が安定することやストレスに強くなることなどもわかってきています。

写真はイメージです。photo by photo-ac

今までの研究では「赤ちゃんとのふれあい」が具体的に脳の発達にどのように影響を及ぼすかはわかっていませんでした。

2018年1月に京都大学が「他者があかちゃんのからだを触れることは脳の活動に影響を与える」という研究結果を「Developmental Cognitive Neuroscience」に「The integration of audio-tactile information is modulated by multimodal social interaction with physical contact in infancy」として発表しました。

一概に脳の発達に影響するといわれてもどのようなことに影響するのでしょうか。今回の研究をひとことでいうと「赤ちゃんにタッチすることで脳の活動が活発になる」ということです。

実際にどのような研究が行われてどのようなことがわかったのか見ていきましょうね。

[ふれあいが脳の発達に影響するとは]

研究では実際に大人と赤ちゃんが遊ぶ場面を想定して行われました。想定から「からだによるふれあい」と「ことば(音声)によるふれあい」がどのように赤ちゃんに影響するのかについて生後7ヶ月の赤ちゃん27人を対象にして調査が行われました。

-どのような調査をしたの-

調査は2つのフェーズに分けて行いました。

実験フェーズ

赤ちゃんと他者が「くすぐり」によって遊びながら「からだにふれている」、「からだにふれていない」というふたつの条件下で「とぴとぴ」や「べけべけ」など意味がない単語を5回連続して聞くという経験をさせました。「ふれてるいる」ときと「ふられていない」ときでは異なる単語は聞かせます。それぞれを交互に6回ずつ繰り返しました。

経験フェーズ

実験フェーズのあとに赤ちゃんに実験フェーズで聞かせた2つの単語をスピーカーで繰り返し聞かせてその時の赤ちゃんの脳活動を脳波計で計測しました。

-調査の結果とわかったことはなに?-

「からだにふれられているときに聞いた単語」のほうが「からだにふれられていないとき聞いた単語を」よりも高い脳波活動がみられました。また、からだにふれられたときによく笑顔をみせていた赤ちゃんの方がより高い脳波活動がみられました。

写真はイメージです。photo by photo-ac

このことは「ふれらている」ということに伴う感覚だけによって脳内においてほかの感覚情報が関連して引き起こされるような脳活動が行われたことで高い脳波となって現れたということを示しています。

この成果から他者からからだをさわられながら話しかけられるという経験は赤ちゃんの学習などをふくめたいろいろ能力を促進させる可能性があることがわかりました。

さらにわたしたちの人間の脳は成長していく初期の段階でからだをふれあうことを通して新しいことを効果的に学習できる仕組みになっているとも考えることもできます。

[研究の成果をまとめてみましょう]

研究の成果をみてきましたがいかがだったでしょうか。簡単にまとめてみると「ふれあう」という体験が赤ちゃんの脳の活動や発達に好ましい影響を与えるということが科学的に実証されたということができるでしょう。

写真はイメージです。photo by photo-ac

さらに今回の研究は「他者(大人)」からふれられるという興味深い研究でした。おかあさんやおとうさん以外の人-たとえば、おばあちゃんやおじいちゃん、親せき、近所の親しい人-とのふれあいも赤ちゃんの成長にとって好ましいことだといえますよね。

他者からふれられても好ましい影響があることからおかあさんやおとうさんとのふれあいはそれ以上にいろいろな影響があると考えられます。

実際に大規模に行われた研究では両親と赤ちゃんとふれあう機会の少なさが子どもの認知や情動の発達に影響することが指摘されています。今回の研究はこの点についても学術的な評価があったといえるでしょう。

赤ちゃんとふれあうといってもお互いに言葉でコミュニケーションをとることはできません。「ふれあうってどうすればいいの?」と考えてしまうかもしれませんね。

赤ちゃんとのふれあいは赤ちゃんに話しかけながらもしくは歌をうたいながらからだ全体をやさしくふれてあげると効果があるといわれています。ネットの動画サイトにいくつも紹介されていますので参考にするのもいいでしょう。

赤ちゃん 手遊び歌 0歳 「きゅうりができた」

今回の研究調査から赤ちゃんとの「ふれあい」の大切さがあらためてわかるのではないでしょうか。

 

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