続きです。
61 知的障害<精神遅滞>の原因となる疾患はどれか。
- 統合失調症
- フェニルケトン尿症
- Alzheimer<アルツハイマー>病
- Creutzfeldt-Jakob<クロイツフェルト・ヤコブ>病
フェニルケトン尿症では、治療がおこなわれないと乳幼児期に大脳の神経細胞が正常に成長できなくなり、精神遅滞を引き起こします。
統合失調症、アルツハイマー病、クロイツフェルト・ヤコブ病では精神遅滞を引き起こしません。
よって答えは2になります。
62 Aさん(24歳、男性)は、昼間の過剰な眠気を主訴に来院した。半年前に居眠り運転で交通事故を起こした。入眠時の幻視や睡眠と覚醒の移行期に体を動かせなくなることがある。また、笑ったり、怒ったりしたときに脱力してしまうこともある。最も考えられる疾患はどれか。
- 睡眠時遊行症
- ナルコレプシー
- 睡眠時無呼吸症候群
- 睡眠・覚醒スケジュール障害
睡眠時遊行症とは、睡眠中に発作的に起こる異常行動のことで、夢遊病とも呼ばれます。
ナルコレプシーとは、日中において場所や状況を選ばず起こる強い眠気の発作を主な症状とする睡眠障害です。 自発的に覚醒を維持する能力、およびレム睡眠を調節する機能の両者が阻害されます。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。
睡眠・覚醒スケジュール障害とは、睡眠のスケジュールに狂いが生じて、睡眠と覚醒のリズムが乱れるものです。
よって答えは2になります。
63 現在の日本の精神医療で正しいのはどれか。
- 精神保健福祉センターは各市町村に設置されている。
- 精神病床に入院している患者の疾患別内訳では認知症が最も多い。
- 精神障害者保健福祉手帳制度によって通院医療費の給付が行われる。
- 人口当たりの精神病床数は経済協力開発機構<OECD>加盟国の中では最も多い。
精神保健福祉センターは、精神保健福祉法によって、各都道府県に設置することが定められています。
精神病床に入院している患者の疾患別内訳では、統合失調症が最も多いです。
自立支援医療制度によって、通院医療費の給付が行われます。人口当たりの精神病床数は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も多いです。OECD平均は10万人当たり68床であるところ、日本は269床です。
よって答えは4になります。
64 Aさん(60歳、女性)は、統合失調症で10年間入院していた。来月退院予定となったため、Aさん、医師、看護師でチームを作り、退院支援計画を立てることになった。Aさんは「両親も亡くなってしまい、これからの生活費や住む場所がとても心配だ」と訴えてきた。退院支援を進めるにあたり、チームに加わるメンバーで最も適切なのはどれか。
- 薬剤師
- 精神保健福祉士
- ピアサポーター
- 臨床心理技術者(臨床心理士・公認心理師等)
薬剤師とは、調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生を司る医療従事者です。
精神保健福祉士は、精神科ソーシャルワーカーと呼ばれる専門職の国家資格で、心に病を抱えた人がスムーズに生活を営めるように、相談や生活支援、助言、訓練、社会参加の手助け、環境調整などを行います。
ピア(peer)とは仲間や同僚という意味があります。ある問題の当事者が、同じ問題を抱える者を仲間の立場で支援し合うことをピアサポートといいます。精神保健領域におけるピアサポーターは、自らの体験に基づいて、仲間の障害者を支援する人を指します。
臨床心理技術者は、心理学に関する専門的知識および技術を持ち、心理に関する相談に応じ、助言・指導その他の援助を行います。
よって答えは2になります。
65 訪問看護制度で正しいのはどれか。
- 管理栄養士による訪問は保険請求できる。
- 精神科訪問看護は医療保険から給付される。
- 医療処置がなければ訪問看護指示書は不要である。
- 訪問看護事業所の開設には常勤換算で3人以上の看護職員が必要である。
訪問看護は、訪問看護師等が住まいに訪問して療養生活を送っている方の看護を行うサービスです。
管理栄養士による訪問は、訪問栄養食事指導になります。
精神科訪問看護は医療保険から給付されます。
医療処置がなくても訪問看護指示書は必要です。
訪問看護事務所の開設には、看護職員が常勤換算で2.5人以上必要です。
答えは2になります。
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