在胎39週4日で、正常分娩で出生した児。出生体重3,000g、身長48.0cm。出生直後、児に付着していた羊水をふき取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。体温37.5 ℃、呼吸数56/分、心拍数150/分、呼吸音は異常なし。看護師は観察を終え、温めておいたベビー服を着衣させ、同様に温めておいた寝具を用いて準備をしたコットに児を寝かせた。コットは壁際や窓辺を避け、空調の排気口からの風が当たらない場所に配置した。
109 看護師が児の体温保持のために行ったことと、それにより予防される熱の喪失経路との組合せで正しいのはどれか。
- 羊水をふき取ったこと―蒸散
- 観察をインファントラジアントウォーマーの下で行ったこと―対流
- 温めたベビー服と寝具を用いたこと―輻射
- 風が当たらない場所にコットを配置したこと―伝導
蒸散とは、新生児の体の水分が気体に変わる時に熱を喪失することをいいます。主に皮膚や気道から蒸散します。対流とは、新生児の体の周りの空気が流れ,熱を喪失することをいいます。 輻射とは、新生児から周囲の物体に熱を放出し喪失することをいいます。伝導とは、新生児の体に接している物の方向へ熱が移動し喪失することをいいます。
羊水をふき取ったことは 、蒸散の予防にあたります。
観察をインファントラジアントウォーマーの下で行ったことは、輻射の予防にあたります。
温めたベビー服と寝具を用いたことは、蒸散と伝導の予防にあたります。
風が当たらない場所にコットを配置したことは、対流の予防にあたります。
よって答えは1になります。
110 生後1日。児の状態は、体温37.0℃、呼吸数48/分、心拍数120/分、呼吸音は異常なし。体重2,850g。出生後から現在までの状態は安定していた。母親も分娩時の疲労から回復し、産後の状態も安定しているため、 母児同室を開始することとなった。この施設では、自律授乳を行っている。母親へのオリエンテーションの内容で適切なのはどれか。
- 「新生児室へ行く時は、赤ちゃんをコットに寝かせて移動してください」
- 「沐浴の時は、赤ちゃんのネームバンドを外しましょう」
- 「赤ちゃんの体温1時間おきに測ってください」
- 「授乳は3時間ごとにしてください」
転落予防のため、新生児室へ行くときは、赤ちゃんをコットに寝かせて移動します。
沐浴の時も赤ちゃんのネームバンドはつけておきます。
朝、昼、夕、就寝前など1日に4回程度、決まった時間に体温を計測して平熱を把握しておきます。
授乳は必要に応じて適宜行います。
よって答えは1になります。
111 生後3日。看護師が朝の観察を行った時の児の状態は、体温37.0℃、呼吸数40/分、心拍数130/分。体重2,680g。顔面と胸部の皮膚に黄染が認められる。その他の部位は淡紅色である。手関節と足関節の皮膚に落屑がある。尿は6回/日、便は2回/日で移行便である。児の状態で生理的特徴から逸脱しているのはどれか。
- 体温
- 呼吸数
- 皮膚色
- 体重減少率
- 皮膚の落屑
新生児の体温は37℃前後です。
新生児の呼吸数は40回/分程度です。。
生後2、3日後にまず白目が黄色っぽくなり、その後肌の色も黄色になります。生後1週間目以降に自然になくなることが一般的です。
生後体重が10%以上減少するのは、生理的特徴から逸脱しています。児は、3,000gから2,680gと10%以上体重が減少しているため、生理的特徴から逸脱していると考えられます。
新生児期には、新生児落屑を認めることがあります。
よって答えは4になります。
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