世界一の長寿国である日本では,少子高齢化社会が進んでいます。経済的にも厳しくなってきた現代、自分自身の人生の終わりに、不安を持つ人は多いのではないでしょうか。
もちろん、自立して家庭を持った子や孫への負担は避けたい、という思いを持つ人も多いと思います。数多くの人が持つ、そんな不安や思いから生まれたのが「終活」です。
終活(しゅうかつ)とは
「人生の終わりのための活動」の略語です。
日本人は、昔から「死」に対して暗いイメージを持ち、縁起が悪いと考える人が多いようです。
「死」について話し合うことや、準備することは一般的には考えられていませんでした。しかし、実際に「死への準備」を怠ることによって、残された遺族を困らせたりすることがあるとするならば、生前に解決することは縁起の悪いことなのでしょうか。
終活は、自分自身のためだけでなく、自分が人生の最期を迎えたときに、残されたご家族への思いやりや、感謝の意味が込められているのです。
写真はイメージです。 photo by pixabay
実際に終活では何を行うのか?といった点ですが、お金(財産や相続)の問題についてを決定しておく。そしてもし介護が必要になった時に備えて予め介護施設を決定しておく。その他にも、葬儀やお墓の準備など、「死」に行く段階で必要なことの、準備を進めていくのです。
誰でも簡単に、すぐ始められる「エンディングノート」も話題になっています。このエンディングノートに記載する内容は、一般的にはこれまでの自分の人生、ご家族との思い出の写真、ご家族やご友人に伝えたいこと、介護が必要になった際の理想、資産、収入と支出、葬儀やお墓、などがあげられています。
最近では終活のイベントもあり、棺おけに入る入棺体験や、自分の葬儀を模擬体験できる模擬葬儀体験が高齢者の間でブームとなっているそうです。
このように、現代では「死」に対しての考え方が、変化し「これまでの人生を見つめ、残りの人生をどのように生きたいのか」「終活を楽しむ」という考え方が、広まってきているのです。
終活のメリット
整理していく過程で、不安や悩みなど、自分自身の中にあることの全てを出し尽くすことによって、気持ちがすっきりし、自分の気持ちに整理がつきます。
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そして、一番気がかりとされるご家族や大切な人への負担(経済的・精神的・社会的)を軽くすることができます。
自分自身にとっても、これまでの人生を見つめ直すことによって、本当にやりたいこと・やるべきことを明確にし、残りの人生を悔いなく生きるための準備ができます。
しかし、一人で終活を進めていくことに不安を感じたり、難しく思う人も多くいます。そのような人たちのサポートをするために終活に関する知識を備えた「終活ライフケアプランナー」という資格があります。
終活ライフケアプランナーとは
一言で「終活」といっても、実際は相続、葬儀、お墓、介護など領域は広く、何からどうすれば良いのか分からない。という人は数多くいます。
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その際に、専門的な知識や心理学などを学んだ、有資格者終活ライフケアプランナーに相談することで、円滑な終活につながるのです。終活ライフケアプランナーは、終活する人やそのご家族が「死」への準備段階で、持った不安や疑問や悩みを、カウンセリングやエンディングノートを通して的確に捉え、専門的にサポートする仕事です。
今後も進行し続ける高齢化社会のなか、終活ライフケアプランナーを必要とする相談者は、全国どこにでもいます。そのことから、今後の需要は益々増加すると予測され、さらなる発展が期待されます。
今後も「終活」を行う高齢者はさらに広まっていくのではないでしょうか。
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