妊娠するためのタイミングの取り方は?排卵日じゃないって本当?

妊娠を望んでいる方にとって、いつタイミングをとると妊娠できる確率が高いのか、ということはとても気になることだと思います。そのため、今回は妊娠と関係の深い、排卵日との関係についてお話していこうと思います。

 

〇妊娠するまでの流れ

妊娠するためには、まず女性の「卵子」と男性の「精子」が出会う必要があります。出会うための前段階として「性交」があり、男性が女性の膣内に射精することで、女性の体内に男性の精子が入っていきます。その精子が運よく女性の卵子と出会うことで「受精卵」となり、細胞分裂を繰り返し行うことで、だんだんと人の形へと変わっていきます。

 

〇卵子と精子が出会うために

先ほど、「精子が運よく女性の卵子と出会うと受精卵になる」とお話ししましたが、本当に運がよくないと精子は卵子に出会えないのです。というのも、卵子はいつでも精子を待っているわけではありません。卵子は月に一度「排卵」という形で、女性の卵巣から飛び出します。そのため、このタイミングを狙うことが妊娠するのにとても重要だといえます。

 
精子の卵への侵入 photo by wikipedia

〇生理周期と排卵日

女性の生理周期は大体24日~39日とされ、多くの人は28日前後と言われています。その1サイクルの中で、体の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。

まず生理が来たら「エストロゲン」という卵胞を育てるホルモンが分泌されます。卵胞とは、卵子の入っている袋のことです。生理周期が28日の人なら、大体14日目ころまで分泌されます。そうして卵胞が約2.0mm前後になると、いよいよ排卵となります。

排卵した後は「プロゲステロン」という子宮内膜を厚くして、受精卵が着床しやすいようにするホルモンが分泌されます。妊娠していなければ、このホルモンも大体14日ほど分泌され、そののちに生理となります。妊娠が成立すると、このホルモンは妊娠を継続させるために分泌され続けます。

このように、生理周期の長さによっても前後しますが、大体生理から2週間前後で排卵日となります。

 

〇どうやって排卵日を特定するの?

排卵日の特定の仕方としては主に基礎体温を用いるか排卵検査薬を使用する方法の2つの方法があります。

まず基礎体温ですが、朝起きてすぐに寝た状態のまま婦人体温計を口の中に入れて測ります。実は生理から排卵されるまでの体温と、排卵されてから次の生理までの体温には0.30.6度ほどの温度差があります。これは先ほど紹介した「プロゲステロン」というホルモンが体温を上げるはたらきがあるため、排卵日までは低体温層、排卵日からは高体温層となります。この中間が排卵日となるわけですが、排卵日もしくは排卵前日頃に体温が下がる日があります。この日が排卵日です。


写真はイメージです。 photo by illust AC

また排卵検査薬を使用する場合、排卵予定日の1週間前ほどから検査をし始め、陽性が出始めたところが約排卵2日前となります。排卵検査薬は排卵を促すために分泌される「LHサージ」というホルモンのうごきをとらえています。このLHサージは排卵される2日前~前日にピークがきたのちに排卵となります。

 

〇タイミングは排卵日に合わせるのがいいの?

妊娠したいと思ったら、排卵日にタイミングを合わせるのが良いと思っている方も多くいるとおもいます。ですが、実は本当に妊娠確率が高いのは排卵日ではありません。

ある研究データからは、排卵日の2日前にタイミングをとると最も妊娠確率があがるという報告があります。妊娠する確率が上がり始めるのは、排卵1週間前ほどからで、排卵2日前をピークに上がり、その後下がっていく傾向にあるようです。

これには、卵子と精子の寿命が関係しています。卵子の寿命は、排卵されてから24時間とされていますが、このうち受精できるのは最初の68時間です。また精子の寿命は、平均23日、長くて1週間とされています。ただし膣内に射精されてから6時間ほどかけて受精能力を獲得していくというデータも報告されています。そのため、排卵されてからタイミングをとるのではなく、排卵される前から精子が子宮内にスタンバイしていることが望ましいのです。排卵日当日に妊娠確率が下がるのは、このためなのです。

 
写真はイメージです。 photo by pixabay

〇まとめ

このように、妊娠するためには精子と卵子が運よく出会うことが大切なのです。そのためには良いタイミングで性交できるとよいのですが、それはずばり排卵日2日前です。人によっては排卵のタイミングがつかみにくくて悩んでいるかたもいると思いますが、そんな方はぜひ基礎体温や排卵検査薬を試してみてください。まずは自分の生理周期を知り、排卵や絶好のタイミングをつかみましょう。

 

 

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