続きです。
86 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉に基づく五類感染症はどれか。2つ選べ。
- 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉
- 腸管出血性大腸菌感染症
- つつが虫病
- 日本脳炎
- 梅毒
後天性免疫不全症候群(AIDS)は、五類感染症です。
腸管出血性大腸菌感染症は、三類感染症です。
つつが虫病は、四類感染症です。
急性脳炎は五類感染症ですが、日本脳炎は除かれます。日本脳炎は四類感染症になります。
梅毒は、五類感染症です。
5類感染症の代表的な疾患の語呂合わせを紹介しておきます。
あさ、家で梅干しと栗とブドウを食べてクラクラ
あさ…麻疹風疹(MR)
い…インフルエンザ
え…(AIDs)
梅…梅毒
ぼし…B型肝炎、C型肝炎
くり…クリプトスポリジウム症
ブドウ…メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
クラクラ…クラミジア 【参考文献】
Denticola 歯科医師国家試験のポイント
よって答えは1、5になります。
87 感覚性失語のある成人患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。2つ選べ。
- 短文で話しかける。
- 身振りを加えて話す。
- 多くの話題を提供する。
- 耳元に近づき大きな声で話す。
- open-ended question〈開かれた質問〉を用いる。
相手の話を聴いて理解することの障害は、ウェルニッケ失語の中核症状です。
言葉そのものの理解は、障害されても状況判断や推測などは保たれていることが多いです。短く、ゆっくり話しかけながらジェスチャーを加えるなどして、コミュニケーション方法を工夫することによって理解可能となる場合もあります。
コミュニケーション手段の一つとして、「はい」「いいえ」で答えられる質問をして、どちらかを指差しで選んでもらうことは、有用です。
よって答えは1、2になります。
88 交通事故によって脊髄損傷で入院した下肢に麻痺のある成人患者。職場復帰に向けて、看護師が患者に説明する内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 自己導尿は自宅で行う。
- 仕事中は飲水を制限する。
- 車椅子には体圧分散マットを使用する。
- 残業する場合の休憩時間は不要である。
- 職場の担当者に自分の病気について伝える。
排尿状況に応じて、職場のトイレでもうまく自己導尿をこなしましょう。
仕事中に飲水を制限する必要はありません。
体圧分散マットレスの使用は褥瘡予防に効果的です。
労働時間によりますが、残業する場合も休憩時間は必要になります。
労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合には45分以上、同様に8時間を超える場合には60分以上の休憩時間を、労働時間の途中に与え、また原則として自由に利用させなければならないとしています。
職場の担当者に自分の病気について伝えましょう。
よって答えは3、5になります。
89 人工肛門を造設した患者へのストーマケアの指導内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 装具の交換は便が漏れない限り不要である。
- 装具をはがした時は皮膚保護材の溶解の程度を観察する。
- 洗浄後のストーマはドライヤーで乾かす。
- 装具の穴はストーマと同じ大きさにする。
- 装具を貼る時は腹壁のしわを伸ばす。
ストーマの装具は定期的に交換します。
剥がした装具の皮膚接着面をみて、皮膚保護材の溶解の程度を観察し、ふやけ方や溶け方を確認します。溶け具合などを参考にして、装具交換時期の目安を決めます。
洗浄後は、乾いたガーゼ等で拭き、可能であれば空気浴の時間をとって皮膚を乾燥させます。
装具の穴はストーマより2mm程度大きめにします。
腹壁のしわが自然に伸びた状態の体勢で装具を装着します。
よって答えは2、5になります。
90 妊娠36週の妊婦にNST〈non-stress test〉を行うため、分娩監視装置を装着することになった。 妊婦への説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 「胎児の健康状態を判定します」
- 「所要時間は10分です」
- 「排尿を済ませて下さい」
- 「仰向けで行います」
- 「固定用ベルトを1本使用します」
分娩監視装置とは、妊産婦さんのおなかにベルトを巻き、赤ちゃんの心拍数、胎動、子宮の収縮の具合をチェックする装置です。
所要時間は平均30~40分ですが、検査中に胎児が寝ていてグラフが反応しないなどの理由で検査時間が長引くことがあります。
検査に時間がかかるため、検査前に排尿は済ませておきます。
検査は、仰向けで少し上半身を起こした状態で行います。完全に仰向けになってしまうと、おなかが、血管を圧迫し仰臥位低血圧症候群になってしまうことがあります。
ベルトは2本巻きます。ひとつは赤ちゃんの心拍を、もうひとつは子宮の収縮状態を記録します。
ノンストレステストをわかりやすく説明した動画がありました。
よって答えは1、3になります。
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