Microsoftがパーキンソン病患者の手の震えを抑える腕時計型デバイスを開発

 

パーキンソン病の患者たちは、常に手の震えに悩まされています。物を持つ、字を書く、という日常生活においても不便を感じている患者たちを助けるデバイスをマイクロソフトが開発しました。

パーキンソン病とは


世界中にパーキンソン病を患っている人は1000万人以上いると言われ、日本では10万人以上の患者がいると推定されています。

50歳、60歳代で発病することが多いのですが、70歳代以上の高齢で発病する方も稀ではなく、時には40歳前に発病する方もいます。

パーキンソン病は、神経細胞の減少により十分な量のドーパミンが作られなくなることで神経同士の連絡に不具合が生じ、発症すると考えられています。

現在、パーキンソン病の治療は薬物治療が中心ですが、今回、マイクロソフトは腕時計型デバイスでパーキンソン病の震えを抑えることに成功しました。


腕時計型デバイスの名前は「Emma Watch」


パーキンソン病患者の手の震えを抑える腕時計型のデバイスは「Emma Watch」と言います。イギリスのMicrosoft Researchのイノベーションディレクターのカイエン・チャンさんが開発しました。

Emma Watchは、内蔵の小型モーターを振動させることであえて患者の腕を揺すり、手の震えを相殺する仕組みになっています。

あらかじめ患者の手の震えパターンを学習させ、Emma Watchと連携しているモバイルアプリで振動数をコントロールすることができます。


開発の成果と今後への期待


グラフィックデザイナーのエマ・ロートンさんは33歳の時にパーキンソン病を発症し、手の震えから直線を書くことができなくなり、今後仕事を続けることは難しいと考えていました。

今回Emma Watchを装着して文字や直線を書いてみたところ、自分の名前も直線も歪むことなく書くことができ、

「完璧な直線ではないけれど、これでまた仕事に戻れるかもしれない」と喜びの感想を言っています。

開発者のカイエンさんは、自身がこの技術を製品化する計画はないと言っていますが、他の研究者がこのプロジェクトに参加することを望んでいます。

Emma Watchが実用化されれば、多くのパーキンソン患者の日常生活を救うことになるでしょう。今後の発展に期待が寄せられています。

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