健康的と言われる国々では朝食に何を食べているか

アメリカの大手総合情報サービス会社ブルームバーグが世界の165か国を対象に最も健康な国について調査を行いました。

その結果、1位イタリア、2位アイスランド、3位スイス、4位シンガポール、5位オーストラリアという結果になり、日本は7位でした。

健康的と評価された上位5か国はどのような朝食を食べ、どのような背景から健康を生み出しているのか気になりますよね。

今回は朝食に着眼点を置いた調査結果を紹介します。

イタリア


photo by PEXELS

イタリアの食事というと、ピザやパスタ、地中海の魚料理など、オリーブオイルをふんだんに使った料理が有名です。

全体的に炭水化物が多い傾向にあるイタリア料理ですが、健康的と評価されたのには伝統的なイタリアの朝食にポイントがありました。

イタリアのローマにおける伝統的な朝食は、ペイストリーと呼ばれる穀粉や卵から作られた食べ物とカプチーノやエスプレッソを中心としています。


写真はフォカッチャです。 photo by WIKIMEDIA COMMONS

ナポリ地方では、スフォリアテッラと呼ばれるパイのような焼き菓子とエスプレッソやカプチーノを口にすることが多く、ジェノバではエスプレッソと塩辛いフォカッチャを食べることが多いと言います。

コーヒーはカフェインが含まれていることから、体内を寝ている状態から覚醒させ腸の蠕動運動を促進する効果があります。

また、認知症やうつ病の発症を低下させる効果もあることから、健康に良い影響をもたらす可能性が考えられています。

炭水化物を多く摂取しているイメージがあるイタリアですが、朝食はさっぱりしていることがわかりました。

アイスランド


photo by The blanz

2位のアイスランドでは、アイスランド特産のチーズの一種であるスキールを朝食に食べています。

スキールはヨーグルトのような見た目ですがかなり水気が少なく、ギリシャヨーグルトや水切りヨーグルトのように固形に近い乳製品です。

アイスランドの朝食では、スキールとグラノーラやナッツ、蒸したオーツ麦、アイスランド産バターなどを混ぜ、薄いクレープのようなパンケーキであるピョンヌキョークルや温かいトーストに乗せて食べるスタイルが一般的です。


写真はスキールです。 photo by aimee castenell

スキールは高たんぱくで糖分が少なく、味は甘くないため、朝食以外でも小腹が減った時に食べることができます。

日本では製造、販売されていないため、アイスランドに行くことがあればぜひ食べてみたい食品ですね。

スイス


写真はミューズリーです。 photo by Manuel QC

スイスの朝食で主に食べられている食べ物はミューズリーです。

1900年ごろ、スイス人医師のマキシミリアン・オスカー・ビルヒャー・ベンナー氏によりミューズリーは作られました。

元々病院食として誕生したミューズリーでしたが、患者たちから好評だったため、一般家庭にも浸透していったと言います。

ミューズリーはグラノーラと同じシリアルの一種で、オートミールのフレークやレモン汁、コンデンスミルク、砂糖付けリンゴ、ヘーゼルナッツやアーモンドが混ぜられています。

朝食時には、このミューズリーとペイストリーをバターやジャムで味付けし、紅茶やコーヒーと共に口にすることが一般的です。

食物繊維が豊富で少量でも満足感を得られるため、スタイルを気にする人にもおすすめの食事と言えるでしょう。

シンガポール

シンガポールは多民族国家のため朝食も非常に多様ですが、全体的に広く食べられている朝食は麺と言われています。

日本のラーメンのように汁の中に麺が入っているものもありますが、通常、シンガポールの麺料理はつけ麺のように汁と麺が別で提供されます。

午前中に揚げ麺を食べることは滅多にありません。


写真はカヤトーストです。 photo by Joshua Poh

中国系シンガポール人ではない人たちの朝食には、カヤジャムとマーガリンを挟んで焼いたカヤトースト、ナンのような薄焼きパンのロティプラタ、ご飯をココナッツミルクで炊いたナシレマ、ココナッツのパフの中に甘い梅のジャムが入ったプトゥプリンが一般的に食べられています。

シンガポールは国民の75%が中国系のため、シンガポールで食べられている料理は中国料理の影響を大きく受けています。

そして、シンガポールのベースに流れる中国文化にタイやインドネシア、マレーシアといった東南アジア諸国の文化も融合しているため、実に多様な食文化を生み出している国と言えます。

シンガポールが健康的な国と評価されたのには、野菜も肉も魚もバランスよく食べることができるということが一つの理由と言えるでしょう。

オーストラリア


photo by surtr

オーストラリアでの朝食はこれまで、目玉焼きやソーセージ、ベーコンやトーストなどで構成されたイギリス式の朝食が一般的でした。

しかし、「ここ20年で大きく変化し、近年ではバリスタによって抽出されたエスプレッソなど上質なコーヒーを中心とした朝食が摂られている」と、ニューヨークでシェフをしているオールトラリア人のティム・ハリス氏は言っています。

オーストラリアの朝食では、この上質なコーヒーと共にアボカドを乗せたトーストやミューズリー、卵を使った料理やベジマイトも広く食べられています。

近年では健康志向の高まりから、ホウレン草やリンゴ、きゅうりやバナナなどを家庭でスムージーにして飲むことや、甘くないシリアルとヨーグルトを食べることも多くなっていると言います。

美味しさだけでなく健康を考えた食事に注目が集まっていることが、オーストラリアの健康における高評価につながった可能性が考えられます。

日本


photo by Sophie

日本は10位以内にランクインし、7位という評価を受けました。

日本の高評価の要因には、伝統的な和食を朝食に食べている家庭も多くあることが理由の一つと言えるでしょう。

しかし一方で、トーストや目玉焼きといった洋風な朝食も増えつつあることから、上位5位には及ばなかった可能性が考えられます。

上位5位の国々は、体内の環境を整える食事を中心に摂っていると言えます。

美味しさや手軽さの追究ももちろん大事なことですが、健康は朝食からスタートすることを頭に入れて食事を摂ることが必要でしょう。

 

 

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