問題行動は苦手のサイン 学習障害を見逃さないためには

学校教育でしばしば見られる、子どもによる問題行動は、授業の中断や他の子どもたちの混乱を招くこともあり、教育者の悩みのひとつです。特に、注意しても改善されない場合に困ってしまうようです。しかし、問題行動には必ず原因があり、対処法があります。その原因のひとつが「学習障害」です。

学習障害とは

学習障害(LD)は、教育用語なので、診断名としては限局性学習症/限局性学習障害となります。ここでは、より馴染みがある「学習障害」を使用します。まず、学習障害には以下の3つの基準があります。

1.基本的には、全般的な知的発達に遅れはない。

2.聞く、話す、読む、計算するまたは推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す。

3.その原因は、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。

つまり、「知的に遅れていたり、他の障害もないのに、ある特定の能力を得たり、使うのが非常に難しい」ということです。では、学習障害には、どのような種類があるのでしょうか。

学習障害の種類

学習障害の種類は主に3つです。

 

1.読字障害(読みの困難)

「め」、「ぬ」など似た形の字が理解できない。飛ばし読みをする。など

2.書字表出障害(書きの困難)

鏡文字を書く。漢字が困難。黒板を写せない、または写すのに時間がかかる。など

3.算数障害(算数、推論の障害)

数字、記号の理解が苦手。繰り上げ、繰り下げができない。文章問題が苦手。など


写真はイメージです。 photo by flickr

「読み・書き・算数」と覚えるのがオススメです。いずれも、小学生になってからわかることが多いです。授業として、これらの能力を使用する頻度が増えるからです。苦手の中にいるのは、とても苦しいことです。苦しさが問題行動に繋がるのも頷けますね。

問題行動としての表れ方

問題行動の原因が学習障害だった場合、具体的にどのように表れるのか紹介します。

例えば、音読の時間になると騒ぎ始める、先生が板書し始めると離席する、などがあります。音読の順番が待てない子、先生が目を離した隙にイタズラする子など、どうしても問題行動そのものに目を向けて解釈したくなるかもしれません。

しかし、「これからやることに対して回避的である」点に注目するのがポイントです。読めないから音読の時間を潰したくなるのです。書けないから机から離れたいのです。


写真はイメージです。 photo by pixabay

ちなみに、専門機関に依頼し、学習障害とわかれば、ある程度確立された適切な支援をすることができます。専門機関からもアドバイスを貰うことができます。

例えば、読字障害なら、教科書を読んで学ぶことにこだわらなくて良いのです。聞いて覚える方法もあります。書字表出障害なら、無理して書かなくても、パソコンを使用してノートを取る方法があります。

聞いて覚える方法はすぐに実行できますが、パソコンでノートを取るには、まずタイピングを習得しなくてはなりません。一日二日での習得とはいかないため、早期発見と、早期の支援介入をした方が得です。実際に支援をしてくれる機関もあります。

 

もし、なかなか改善されない問題行動がありましたら、問題行動のタイミングを観察してみてください。

 

 

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