インフルエンザの合併症 年代によって注意の必要な合併症は?

毎年冬になると流行するインフルエンザ。インフルエンザといえば、高熱や関節痛、筋肉痛、全身倦怠感が主な症状ですが、これ以外にも様々な合併症があるのはご存知でしたか?インフルエンザの合併症は、インフルエンザの罹患によって、体力や抵抗力の低下が起こることで引き起こされると考えられています。とくに小児と高齢者は重症化しやすく、放置すると死に直結する合併症もあるので、注意が必要です。

 
写真はイメージです。 photo by photo AC

〇小児が気を付けたい合併症

小児に起こりやすい合併症としては中耳炎や熱性けいれん、そしてインフルエンザ脳症(脳炎)があげられます。そのうち、最も気を付けたい合併症がインフルエンザ脳炎です。インフルエンザ脳炎は主に5歳以下で、多くは12歳ころに好発します。症状としては高熱に加えて意識障害、痙攣、頭痛、嘔吐などがみられ、重症化すると脳障害や多臓器不全を引き起こします。

 

〇高齢者が気を付けたい合併症

高齢者に起こりやすい合併症としては肺炎があげられます。抵抗力や免疫力が低下している高齢者がインフルエンザに感染することで、気道の粘膜に炎症が起こり、細菌が肺の方へ落ち込んでいくことで肺炎が引き起こされます。肺炎は日本人の死亡原因として、悪性新生物(がん)、心疾患についでの第3位となっています。また、肺炎で死亡する人の92%は65才以上の高齢者であるという報告もあるため、注意が必要です。

 
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〇その他様々な合併症

小児や高齢者だけでなく、ほかにもインフルエンザに感染することで、様々な合併症を引き起こすことがあります。

呼吸器の疾患としては、気管支炎や気管支喘息の悪化、副鼻腔炎、クループなどがあげられます。また中枢神経系の疾患としては、ライ症候群やギラン・バレー症候群、脳炎・脳症といった疾患が代表的です。また循環器では急性心筋炎や心膜炎、筋肉ではウイルス性筋炎さらに腎臓では腎不全というように、身体のあらゆる部分で合併症がみられます。

 

〇まとめ

インフルエンザに罹患したら、これらの合併症にも注意が必要です。インフルエンザは冬だけの病気と思っている方も少なくないと思いますが、実は夏にも発生しています。そのため、冬だけでなく、年間を通して、日ごろからインフルエンザの予防をすることが大切です。そのためにはまずは手洗いうがいを習慣づけましょう。また特に冬の間は流行しやすいので、人混みを避けたり、マスクを着用したりするなどして感染を予防しましょう。


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さらに、インフルエンザの予防接種をすることも効果的です。予防接種は個人差やその年の流行株との合致状況にもよりますが、感染自体を防ぎ、重篤な合併症を予防する効果も認められています。

インフルエンザで怖いのは症状が辛いことだけではありません。むしろ、合併症の方が重症化しやすいので注意が必要です。そのため、日ごろからインフルエンザの予防に努めましょう。

 

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