2020年には要注意?マイコプラズマ肺炎

微生物が原因で引き起こされる肺炎「マイコプラズマ肺炎」。肺炎と聞くと高齢者に多い病気のように思いがちですが、この病気は子供・若者に多く約8割が14歳以下で発症しています。

2016年に大流行したため、名前だけはご存知な方も多いのではないでしょうか?

マイコプラズマの症状と診断

マイコプラズマ肺炎とは、自然界によくいる一般的な微生物・マイコプラズマが原因となって引き起こされる肺炎のことです。潜伏期は2~3週間。乾燥しがちな冬に多いです。

主な症状は発熱と痰を伴わない咳(乾性咳嗽)で、頭痛、関節痛なども伴うことがありますが、その症状は通常の風邪と見分けることは難しいとされています。


写真はイメージです。 photo by illust-ac

発熱が落ち着いても、咳が長引くようであれば一度病院で検査を受けてみることをお勧めします。早期診断が難しく、肺炎が進行していれば胸のレントゲンを撮ることで診断されることもあるようです。

現在の確定診断には痰や咽頭を綿棒で拭った検体を専用の培地で培養することですが、診断に1週間かかってしまうのが現状です。そのため、臨床現場では主に血液検査と、専用の抗原キットを使用した診断が主流となっています。

血液検査では白血球数(WBC)、炎症反応(CRP)、マイコプラズマ抗体(MPHA)といった数値を見ていきます。抗原キットは培養と同じように綿棒で痰や咽頭をこすった検体でマイコプラズマ抗原があるか見ていきます。

治療は抗生物質を使用することが基本ですが、よく使われているペニシリンやセフェム系では効果がなく、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系薬剤といったものが使用されます。近年では薬剤に対する耐性がついた菌もあり、マクロライド系の抗生剤が効かない場合もあります。

マイコプラズマ肺炎は感染症法で、風疹や破傷風などと同じ5類感染症に分類されており、感染が発覚した場合、指定の医療機関は保健所に届け出を出す必要があります。

学校によっては学校保健安全法によって学校長が判断した場合出席を停止させることもあります。感染力は弱い微生物ですが、咳やくしゃみの飛沫感染、手から手の接触感染で広まりやすく、自分の身を守るためには手洗い・うがいが有効的といえるでしょう。


写真はイメージです。 photo by photo AC

かつてはオリンピック病とも呼ばれていた

2016年、リオデジャネイロオリンピックが開催されたことは記憶に新しいですね。マイコプラズマ肺炎は周期的に大流行を繰り返しますが、それがちょうど4年に1度であるため、かつてはオリンピック病と呼ばれていました。

現在では、その周期も崩れつつあるとのことですが、前回マイコプラズマ肺炎が大流行したのは前述の通り2016年。2017年は厚生労働省から注意喚起されることはなく、2018年現在も流行の兆しは今のところありません。

次回のオリンピックは2020年東京ですが、その年には注意する必要があるかもしれませんね。マイコプラズマ肺炎に限ったことではありませんが、外出先から帰ったら手洗いうがいを徹底するなど日常生活の感染対策が重要です。

 

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