大谷翔平選手が右肘の痛みで休養 肘内側側副靭帯損傷とは

大谷翔平選手といえば、2013年に日本ハムに入団し、入団当初からピッチングとバッティングの「2刀流」で球界をわかし、2018年からは舞台を大リーグにかえエンゼルスに所属し、野手でも投手でも活躍して、世界中の野球ファンを楽しませている選手ですね。

そんな大谷選手ですが、6月8日にグレードⅡの右肘内側側副靭帯損傷で離脱をしてしまいました。すでに、多血小板血漿(PRP注射)と幹細胞注射の治療をうけていて、3週間後の検査ののちに治療方針を決定する見込みです。

肘内側側副靭帯損傷とは

今回は、肘内側側副靭帯損傷の病気とその治療について簡単に紹介していきます。

そもそも靭帯とは、関節を安定化させていますが、野球やテニスなどのスポーツでは繰り返し動作から肘関節に負担がかかり、靭帯が伸び損傷する恐れがあります。


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肘内側側副靭帯は上図の位置にあたり、内側とはいいますが、投球動作の際には、外側に位置します。

症状としては、肘の痛み、腫れ、周囲の筋力の低下、動作のしづらさが挙げられます。

X線検査、MRI検査をおこない、病状を診断します。

病状は、グレードⅠ~Ⅲにわかれ、「Ⅰ」は靭帯が張っているhが伸びてはなく痛みのある状態、「Ⅱ」は靭帯が伸びた状態か部分断裂で、腕を動かすことは可能。「Ⅲ」は靭帯が完全に断裂した状態で肘の機能は失われます。

肘内側側副靭帯損傷の治療とは

今回、大谷選手が診断された肘内側側副靭帯損傷グレード「Ⅱ」ではPRP療法で数か月の早期復帰を目指すケースが多いですが、結局手術を受け復帰まで年単位の月日がかかる場合もあります。

PRP療法とは、自分の血液を20ccほど採取して、そのなかの血小板からでてくる組織を修復する物質を抽出して再度患部に注射する治療法になり、「疼痛の軽減」「早期の回復」が見込めます。

実は、PRP療法はヤンキースに所属する田中将大選手も受けていて2か月ほどで復帰しています。

 

手術になった場合は、靭帯再建手術、通称トミー・ジョン手術を受けることになります。損傷した靭帯を除去して、体内の健常な靭帯を移植することになります。

こちらのトミー・ジョン手術は、2015年に渡米後のダルビッシュ有投手がうけたことでも知られています。

日本の選手が、渡米後に肘内側側副靭帯損傷を起こすことが多く、原因として、メジャーリーグ特有の滑るボール、登板間隔が日本にくらべて短いことが関係しているのではないかともいわれています。

たとえ、今回トミー・ジョン手術を受けることになったとしても心配しすぎる必要はないかもしれません。

2016年の”The American Journal of Sports Medicine”によると、肘内側側副靭帯再建手術をした選手はしてない選手にくらべて、同等の成績をおさめていることを伝える論文が発表されています。

まだまだ23歳と若い大谷選手ですので、一刻もはやく十分な姿に回復して、また世界中のファンを魅了してほしいですね。

 

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