第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 午前46~50 慢性心不全患者の生活指導で、心臓への負担を少なくするのはどれか

続きです。

46 がん診療連携拠点病院に設置されている「がん相談支援センター」の業務はどれか。

  1.  就労の斡旋
  2.  がん検診の実施
  3.  がんについての情報提供
  4.  セカンドオピニオン外来の開設








「がん相談支援センター」は、患者さんやご家族のほか、地域の人はだれでも無料で利用できます。「がん相談支援センター」では、がんに関する治療や療養生活全般、地域の医療機関などについて相談することができます。

よって答えは3になります。






47 胸腔ドレーン挿入中の患者の看護で適切なのはどれか。

  1.  ミルキングは禁忌である。
  2.  持続的に陽圧となっているか観察する。
  3.  ドレーンチューブに触れた後は手指衛生を行う。
  4.  ドレーンバッグは挿入部より高い位置に設置する。








脳外科領域のドレーンはミルキングが禁忌になります。

胸腔内は、常に陰圧となっています。そのため、胸腔ドレーンで持続的に吸引し、胸腔内圧より強い陰圧をかけてドレナージします。

ドレーンチューブに触れた後は手指衛生を行います。

胸腔ドレーンのドレーンは挿入部より低い位置に設置します。

よって答えは3になります。







48 慢性心不全患者の生活指導で、心臓への負担を少なくするのはどれか。

  1.  肺炎球菌ワクチン接種の回避
  2.  蛋白質を制限した食事
  3.  食直後の散歩
  4.  排泄後の休息








肺炎球菌ワクチンは肺炎予防のためにも接種したほうがよいでしょう。心不全や慢性腎臓病、糖尿病などは肺炎などの感染症によって悪化することもあります。

塩分は、からだに水分がたまりやすくしたり、動脈硬化を進行させたりします。心臓の機能が低下している患者さんは特にからだに水分がたまりやすいため、心臓へ負担を軽減するために、塩分と水分を制限します。また、糖尿病や高血糖がある場合や、肥満により心臓に負担がかかっている場合は、カロリー制限も必要になります。

慢性腎臓病では、腎臓の負担を軽減するために蛋白質摂取の制限を行います。

食直後の運動は避け、30分~1時間程度休んでから行います。

便秘でいきんでしまうと、急に血圧が上がり心臓に負担をかけますので、十分に注意が必要です。

よって答えは4になります。





49 Crohn<クローン>病の患者の食事指導で適切なのはどれか。

  1. 「食物繊維を多く含む食事にしましょう」
  2. 「蛋白質の多い食事にしましょう」
  3. 「脂肪分の多い食事にしましょう」
  4. 「炭水化物を控えましょう」








「高カロリー・低脂肪・低残渣・低刺激」が、クローン病の食事のポイントになります。

蛋白質は病態を悪化させうる食品もあるので、注意が必要です。脂肪を多く含んだタンパク含有食品の摂取は、控えめにしたほうがいいです。

1、3、4が間違っているので、答えは2になります。





50 高カリウム血症の患者でみられるのはどれか。

  1.  Trousseau<トルソー>徴候
  2.  心電図でのT波の増高
  3.  腸蠕動音の低下
  4.  四肢の麻痺








トルソー徴候とは、上腕をマンシェットで圧迫し血流を遮断することで助産師手位が出現することをいい、血漿中のカルシウムイオン濃度が低下することで引き起こされます。

高カリウム血症の方の心電図ではT波の増高を認めます。

高カリウム血症では、下肢の筋力低下やしびれをみることがありますが、基本的に無症状であることが多く、不整脈を引き起こしてから症状が出現することがあります。

よって答えは2になります。



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