続きです。
66 入院患者のせん妄に対する予防的介入で適切なのはどれか。
- 可能な限り離床を促す。
- 昼間は部屋を薄暗くする。
- 家族や知人の面会は必要最低限にする。
- 夕方に短時間の睡眠をとることを勧める。
入院前の十分な説明、きめの細かい看護、家族の面会などを通して不安を取り除き、昼間の働きかけを多くし、昼と夜のメリハリをつけ、睡眠・覚醒リズムの調整をし、入院早期から離床を促し散歩やリハビリを行う。
こうしたことがせん妄を予防するだけでなく、軽症のせん妄の治療にもなります。
よって答えは1になります。
67 注意欠如・多動性障害<ADHD>の症状はどれか。
- 音声チックが出現する。
- 計算を習得することが困難である。
- 課題や活動に必要なものをしばしば失くしてしまう。
- 読んでいるものの意味を理解することが困難である。
トゥレット症候群は、音声チックと複数の運動チックが、一 年以上持続する精神神経疾患です。
学習障害は、 全般的な知的発達に遅れはなく、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどのうち、特定の能力の習得や使用に著しい困難がある状態を言います。
ADHDでは、衝動性・過活動・不注意などの症状が確認されます。
失読症は、視覚または発声器官に異常がないのに、文字を理解することができない、または読むことのできない状態をいいます。
よって答えは3になります。
68 精神医療審査会で審査を行うのはどれか。
- 精神保健指定医の認定
- 入院患者からの退院請求
- 退院後生活環境相談員の選任
- 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による処遇の要否
精神医療審査会は、精神障害者の人権に配慮しつつ、その適正な医療及び保護を確保するために、精神科病院に入院している精神障害者の処遇等について専門的かつ独立的に審査を行うために設置された機関です。
病院管理者からの定期の報告など(医療保護入院者の入院届、医療保護入院者や措置入院者の定期病状報告書)、また精神科病院に入院中の方やその家族等から退院等の請求があったときに、その入院中の方について、その入院の必要があるかどうか、またはその処遇が適当であるかどうかについて審査を行っています。
よって答えは2になります。
69 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で、平成25年(2013年)に改正された内容はどれか。
- 保護者制度の廃止
- 自立支援医療の新設
- 精神保健指定医制度の導入
- 精神分裂病から統合失調症への呼称変更
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律は、2013年に保護者制度の廃止と医療保護入院の見直しをしました。
具体的には、
主に家族がなる保護者には、精神障害者に治療を受けさせる義務等が課されているが、家族の高齢化等に伴い、負担が大きくなっているなどの理由から、保護者に関する規定を削除しました。
医療保護入院における保護者の同意要件を外し、家族等(*)のうちのいずれかの者の同意を要件としました。
*配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人。該当者がいない場合等は、市町村長が同意の判断を行います。
また、精神科病院の管理者に、
・医療保護入院者の退院後の生活環境に関する相談及び指導を行う者(精神保健福祉士等)の設置
・地域援助事業者(入院者本人や家族からの相談に応じ、必要な情報提供等を行う相談支援事業者等)との連携
・退院促進のための体制整備
を義務付けました。
よって答えは1になります。
70 平成28年(2016年)の国民生活基礎調査において、要介護者等のいる世帯に同居している主な介護者全数の特徴で正しいのはどれか。
- 性別は女性が多い。
- 続柄は子が最も多い。
- 年齢は70~79歳が最も多い。
- 介護時間は「ほとんど終日」が最も多い。
同居している主な介護者の要介護者等との続柄をみると、「配偶者」が 25.2%で最も多く、次いで「子」が 21.8%、「子の配偶者」が 9.7%となっています。
また、性別をみると、男 34.0%、女 66.0%で女が多く、これを年齢階級別にみると、男女とも「60~69 歳」が 28.5%、33.1%と最も多くなっています。
同居の主な介護者の介護時間を要介護度別にみると、「要支援1」から「要介護2」までは、「必要なときに手をかす程度」が多くなっているが、「要介護3」以上では「ほとんど終日」が最も多くなっています。
要介護度の構成割合を考慮すると、介護者全数の特徴では、介護時間は「必要なときに手をかす程度」が最も多くなります。
よって答えは1になります。
続き
コメント