睡眠中にPTSDの新たな治療の可能性が

 

 

過去に嫌なことをされた経験があると、ふとした時にその記憶が蘇って辛い気持ちになってしまいます。体の傷はすぐに癒えても、心の傷は簡単には癒えません。

そうした心の傷に苦しむ人の治療が、苦痛を伴わず効果的にできるようになる可能性が今回、筑波大学国際統合睡眠科学研究機構から発表されました(原文英語)。[show_more more=”続きを読む”
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PTSDとは

過去に強い精神的衝撃を受けることで、そこで受けた心の傷を思い出させる物事を避けるようになり、

不眠や不安、フラッシュバックに悩まされる病気を心的外傷後ストレス障害(PTSD)と言います。

これまでPTSDの治療は長期にわたり過去の辛い経験を何度も思い出す必要があり、大きな精神的負担がかかっていました。

今回のマウスの研究で、マウスがノンレム睡眠に入った時にトラウマに関係する音を聞かせることで、トラウマの記憶を弱めることができるとわかりました。

研究の実験方法

具体的に説明すると、箱に入れたマウスに特定の音を聞かせ、直後にマウスに軽い電気ショックを与えます。

このショック以降、マウスはこの特定の音を聞くとおびえるようになります。

音を聞かせて電気ショックを与えた4時間以内に、睡眠中のマウスを起こさない程度の音で同じ音を聞かせたところ、結果に変化が現れました。

研究の結果

最初にショックを与えてから24時間後、睡眠中に音を聞かせたマウスは音を聞かせなかったマウスよりおびえた様子が弱まりました。

さらにレム睡眠時ではなくノンレム睡眠時に聞かせた場合にだけおびえた様子が弱まることがわかりました。

今後さらに、脳内のメカニズムがどのようにトラウマ記憶を弱めているのか解明されてくることで、PTSDの病態の解明、そして新しい治療法の開発に繋がっていくと期待されます。

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