ぶつけたりしたわけでもないのに指に「ズキッ」とするような強い痛みを感じて、気付いたら指に血腫ができていたり、内出血をおこして紫色になっていたとことはありませんか。
それは、「アッヘンバッハ症候群(Achenbach’s Syndrome)」かもしれません。
アッヘンバッハ症候群は、1955年にドイツのアッヘンバッハによって最初に報告された症候群です。日本で報告されるようになったのは2000年以降からです。
アッヘンバッハ症候群は指の痛みと紫斑が特徴
おもに、40代から50代以降の女性に多く見られます。指をぶつけたり、突き指したわけではないのに、急に指にズキッとするような強い痛みやしびれなどを感じて小さな血種を生じます。徐々に周囲に広がって紫斑になっていきます。
好発部位は人差し指や中指で、指を曲げた時に指先から2番目と3番目の部分に起こることが多くみられます。指以外には手のひら、まれに足の裏やかかとにできることもあります。
痛みは最初だけということが多く、紫色になった部分を押しても軽い痛みを感じる程度です。患者さんによっては指が腫れているような違和感が続くことがあります。
ぶつけたりした外傷ではない、アスピリンのような抗血小板剤や抗凝固剤など出血が止まりにくくなるような薬の服用していない、寒い日に手足の先の血行障害が起こるレイノー症状がない、血液検査でほかの紫斑を伴うような病気ではない場合などにアッヘンバッハ症候群が疑われます。
症状は自然に消えていきます
予後は良好の病気で治療の必要はなく、数日から数週間で自然に消失します。アッヘンバッハ症候群は繰り返すことが知られています。短期間に何度も症状を起こす人もいれば、数年ごとに繰り返す人もいます。
原因としては、加齢に伴って局所的に血管がもろくなることで、気がつかないようなささいな刺激で小さな血管から出血するためと考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
アッヘンバッハ症候群は局所的な症状のみで、ほかになにか特定の疾患と関連するような病気ではありませんし、いまのところなりやすい人の特徴もわかっていないようです。
しかし、急に強い痛みとともに出血が生じると不安になりますよね。おかしいなと思ったら皮膚科か内科のお医者さんを受診してくださいね。
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