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PTSDのフラッシュバッグに効果があるといわれる神田橋処方 神田橋処方の効果とは

PTSDのフラッシュバックに対して有効といわれる漢方薬の組み合わせた神田橋処方。SNS上などでも、実際に効果があったという声が聞かれます。 フラッシュバックと悪夢がひどく死んだ方がマシと過呼吸を起こす時期があってどん底の日々でした。神田橋処方になってから、日々良くなっていくのが分かりました。今では漢方のみで西洋薬は断薬しています。 わたしは現在の精神科医に変わってから、神田橋処方と言われる漢方薬2種のみに変更になりました。それからは体調がよくなりました。 服用し続けて気づいたことは過去の不快な記憶を思い出しにくくなりました。思い出してもそれにとらわれている時間が短くなりました。 神田橋処方の漢方薬は、精神科医である神田橋條治医師が考案したものです。 [神田橋医師ってどのようなお医者さんなの] 神田橋医師は、九州大学精神神経科で長年にわたって精神分析療法を専攻。外国留学を経て西欧で発達した精神療法を日本人ならではの感性で咀嚼して実践。 現在は鹿児島県伊敷病院非常勤医師、雑談精神療法を目指しているとしています。 神田橋條治先生は、精神科医で知らない人はいないというくらいに有名な先生。すごすぎて真似できない、真似をしたらヤケドをするともいわれています。 神田橋医師は、薬を処方するときに患者さん全体の気をみて気を打ち消す薬を処方、気を打ち消せるかどうかをみると述べています。このことを「患者さんの邪気」がみえると表現しています。 独特な診察スタイルとして知られていますが、神田橋医師は「緻密な観察眼、精巧な理論、長年の実践に裏打ちされた経験」を持っているといわれています。これらに基づいたものだといえるのではないでしょうか。 直接鹿児島に行って神田橋処方を受けました。小児科3ヶ所、精神科4ヶ所、EMDRも試みてどうにもならなかった症状が一週ごとによくなっていく様子をみていてあぜんとしました。 他院で入院中に心中を吐露したら深く同情してくださった心理士さんが「鹿児島市の伊敷病院の神田橋先生が評判ですよ」と。信じて行ってみたら、大正解でした。 [PTSDのフラッシュバッグのとらえ方] 一般的にPTSDとういうと、アメリカ精神医学会の診断基準であるDSMなどの診断基準が用いられますが、神田橋医師はDSMの定めるPTSD以上の広い範囲でPTSDをとらえています。 ―DSMのPTSDの定義― DSMの定義するPTSDは、「自然災害、犯罪、事故、虐待、いじめ、ハラスメント」などに自分が巻き込まれたもしくは他人が巻き込まれたのを目撃したことなどが心的外傷(トラウマ)となって、トラウマに長期間にわたってとらわれてしまうことです。 フラッシュバックが起きる、トラウマに関連したものを避ける、なにに対しても否定的状態になる、抑うつ状態になる、攻撃的になる、混乱してしまうなどさまざまな症状に悩まされます。 そのなかでもフラッシュバッグはPTSDの典型的な症状です。突然、過去に起こった記憶が無意識に思い出されて現実に起こっているかのようにさまざまな感覚が呼び起されたり、夢でみたりします。 トラウマ体験時と同じような激しい恐怖や動揺を感じ、冷や汗や過呼吸など症状を引き起こします。PTSDに苦しんでいる多くの患者さんがいらっしゃいます。 ―神田橋医師が考えるPTSD― 神田橋医師は考えるPTSDは、「ある心理的な外傷体験の記憶やその記憶の再生に関連して起こってくる不安状態が現時点の精神活動に対して阻害的に働くこと」であると述べています。 統合神経失調症、双極性障害、発達障害、自閉症などのさまざまな精神的疾患の患者さんにもありえると考えています。つまり、DSMが定義するPTSDを含めた広い範囲でとらえています。 フラッシュバッグの判断として、「思い出したくもない記憶や昔の気分が、突然吹き出してくることがありますか」もしくは「ちょっとしたきっかけで昔の嫌な記憶が沸き起こってくることはありますか」ということから確認します。 広い範囲でみたフラッシュバッグの症状を改善する効果が高いといわれているのが神田橋処方の漢方薬です。 [神田橋処方は2種類の漢方薬を用います] 神田薬処方の漢方薬は、「四物湯(シモツトウ)」と「桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)」を1回1から2包ずつ、1日1回から2回、症状がひどい場合には1日3回服用します。早い人で1週間程度、1ヶ月から2ヶ月で症状は相当軽くなるといわれています。 ※漢方薬については文末を参照してください。 四物湯の薬効は「貧血、生理不順、生理痛、冷え性、更年期障害」など、桂枝加芍薬湯の薬効は「腹部膨満感、ストレスや緊張による腹痛や下痢」などです。一見するとフラッシュバッグに関係なさそうですよね。 詳しい薬理作用は解明されていませんが、PTSDの患者さんの交感神経は亢進していて自律神経が乱れた状態にあります。 四物湯は自律神経のバランスを整えて鎮静を促す作用もあり、桂枝加芍薬湯は消化器系への効果から腸でのセロトニン代謝に影響から精神面に効果があるからだと考えられています。 ※セロトニンは、脳内で「生体リズム、睡眠、体温調節などの生理機能」や「気分障害、統合失調症、薬物依存」などにも関与しています。ドーパミンやノルアドレナリンなどの感情的な情報をコントロールして精神を安定させる働きがあります。 2つの漢方薬の組み合わせは、患者さんの体質や状態によって変更します。 ◇からだがもともと虚弱な体質の方 四物湯→十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ) ◇桂枝加芍薬湯が体質的に合わない方 桂枝加芍薬湯→小健中湯(ショウケンチュウトウ) ◇患者さんが常にいらいらして神経質、対人恐怖症がある、悪夢が多い場合 桂枝加芍薬湯→桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ) 桂皮加芍薬湯と四物湯は、胃の不快感で困っているのにこれ以上悪化させるわけに行きません。 四物湯に含まれている「地黄(ジオウ)」が胃を荒らす場合があります。このような場合には四物湯を減量するか十全大補湯が使用されます。 アスペルガー症候群とADHDです。フラッシュバックに苦しんでいます。神田橋先生の本を読んで漢方薬の四物湯と桂枝加芍薬湯を、6カ月試しましたが効果なしです。どうすればいいのでしょう。 フラッシュバックが起きるとつらいですよね。悩んでいる方は多いと思います。四物湯も桂枝加芍薬湯も市販のものを入手することができます。 しかし、漢方薬は薬です。副作用もあります。とくに、漢方薬は患者さんの体質や生活習慣によって処方は異なってきます。 神田橋処方以外にも、「柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)」や「大柴胡湯(ダイサイコトウ)」でフラッシュバックが軽くなるという報告もあります。 このようなことはお医者さんでないと判断できませんよね。お医者さんの管理下で服用するのがいいでしょう。 どこの病院でも神田橋処方をしてもらえるとは限りませんが、一度、相談してみてはいかがでしょうか。   <漢方薬ミニ解説> ●四物湯(シモツトウ) 成分 トウキ、シャクヤク、センキュウ、ジオウ 効能 貧血、血行不良、生理不順、生理痛、更年期障害、冷え性、唇や皮膚の乾燥やシミ、湿疹などの皮膚疾患 向いている人 体力のなく冷えがある人 ●桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ) 成分 シャクヤク、ケイヒ、タイソウ、カンゾウ、ショウキョウ 効能 ふだんから胃腸が弱い人の下痢や便秘。過敏性腸症候群の下痢や便秘(とくに下痢型に有効)。腹部膨満感、ひんぱんに便意をもよおすのに少ししか便が出ないしぶり腹 向いている人 比較的強弱で消化器の働きが低下している人 ●十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ) 成分 オウギ、ケイヒ、ジオウ、シャクヤク、ソウジュツ、センキュウ、トウキ、ニンジン、ブクリョウ、カンゾウ 効能 倦怠感、貧血、皮膚の乾燥、食欲不振、寝汗、手足の冷え。病後や手術後の体力低下、産後の衰弱 向いている人 全身が弱っている、顔色が青白い人 ●小健中湯(ショウケンチュウトウ) 成分 ケイヒ、シャクヤク、ショウキョウ、タイソウ、カンゾウ、コウイ 効能 小児虚弱体質、疲労倦怠、慢性胃腸炎、腹痛、神経質、小児夜尿症、夜泣き 向いている人 体力がなく、冷えがみられる人 ●桂枝加竜骨牡蠣湯(ケイシカリュウコツボレイトウ) 成分 ケイヒ、リュウコツ、ボレイ、シャクヤク、ショウキョウ、タイソウ、カンゾウ 効能 イライラや精神不安が強いストレス性障害、疲労感の強いうつ病や不安障害、不眠症、夜尿症、眼精疲労、脱毛症、ED 向いている人 やせ気味で体力が衰えている、顔色が悪く心身が繊細、体質が虚弱な人 ●柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ) 成分 サイコ、ハンゲ、ケイヒ、ブクリョウ、オウゴン、タイソウ、ニンジン、ボレイ、リュウコツ、ショウキョウ 効能 不安やイライラが強い軽症うつ病や不安障害、気がたってしまい眠れない不眠症、自律神経失調症、多汗症、更年期障害、夜泣き、高血圧に伴う不安・動悸・不眠 向いている人 体力中等度以上、お腹が弱くない、精神不安がある、動悸、不眠、便秘などの症状がみられる人 ●大柴胡湯(ダイサイコトウ) 成分 サイコ、ハンゲ、オウゴン、シャクヤク、タイソウ、キジツ、ショウキョウ、ダイオウ 効能 ストレスが原因の不安や不眠などの精神不安、体力や食欲があって食べ過ぎによる便秘や肥満、胃炎、 向いている人 体力が充実してがっちりとした体型で高血圧や肥満症の人     Continue Reading ->

海外で使用されていたPTSD治療薬のプラゾシン 実は効果がなかった?

「誰でも発症しうるPTSDの主な症状と治療法」でも以前PTSDを紹介しましたが、PTSDとは、究極の状況においこまれる経験がきっかけとなって心理的・身体的な症状を引き起こす病気です。 トラウマを繰り返し思い出したり、夢にみてしまう病気ですが、一般的には、薬物療法や心理療法がおこなわれ、数か月で治ることがおおいです。いっぽうで、症状がおもくなったり、持続してしまう場合があります。 写真はイメージです。 Continue Reading ->

誰でも発症しうる PTSDの主な症状と治療法

近年、相次ぐ災害によって、「心的外傷ストレス障害(PTSD)」という言葉が一気に広まりました。何となくこんな感じかな?と予想できる方も多いと思います。今回は、具体的な治療法を含めて、改めてPTSDについてまとめたいと思います。 写真はイメージです。 photo by photoAC PTSDの症状 心的外傷とは、トラウマと言い換えることができます。PTSDは、実際に人が死んでしまう体験、あるいは自分が死にそうになる、重傷を負うような体験にさらされることにより、それが強いトラウマとなり、心理的・身体的に症状が生じることを言います。 症状の種類には、「侵入症状」、「回避症状」、「認知や気分の否定的変化」、「過覚醒症状」の4つがあります。   1.侵入症状 トラウマを繰り返し思い出したり、夢にみたり、実際にその時の出来事が起こっているかのように感じたり、起こっているかのように行動する症状です。 2.回避症状 トラウマに関する場所や人や活動、またトラウマに関連する思考や感情を避けたり、避けようとする症状です。 3.認知や気分の否定的変化 トラウマとなる出来事の重要な部分を思い出せない。自分や他者に対する否定的な感情が続き、肯定的な感情が続かない症状です。 4.過覚醒症状 苛立ちや激しい怒り、自分を傷つける行動、集中できない、眠れなくなる症状です。   これらの症状が1ヵ月以上持続する場合にPTSDと呼ばれます。 どの症状もトラウマを中心に、日常生活を送る苦しさや困難が伴います。PTSDを発症した方の頭の中は動揺と恐怖で渦巻かれているのです。 写真はイメージです。photo Continue Reading ->

睡眠中にPTSDの新たな治療の可能性が

    過去に嫌なことをされた経験があると、ふとした時にその記憶が蘇って辛い気持ちになってしまいます。体の傷はすぐに癒えても、心の傷は簡単には癒えません。 そうした心の傷に苦しむ人の治療が、苦痛を伴わず効果的にできるようになる可能性が今回、筑波大学国際統合睡眠科学研究機構から発表されました(原文英語)。 Continue Reading ->