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スピオルトレスピマットとスピリーバレスピマットの比較〜呼吸機能や運動能力への効果〜

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、喫煙者に多い肺の炎症性疾患であり、男性の死亡原因の第8位にもなっています。一度発症すると治癒することはありませんが、適切な治療により進行を遅らせることは可能となっているため、早期から適切な治療を受けることが大切です。 写真はイメージです。 photo by illust-ac COPDと薬物療法 COPDの症状は、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせき、たんが特徴となります。喘鳴や発作性呼吸困難などの喘息のような症状がともなう場合もあります。一方で、これらの症状に乏しい方もおり、実際にCOPDの治療に取り組まれている患者さんは1割にも満たないとも言われています。 また、COPD患者さんの3分の1は他の病気を合併しているとも言われており、合併しやすい病気として、糖尿病、心臓病、骨粗鬆症、抑うつなどが挙げられます。これらの病気を合併している場合、経過が悪く、死亡リスクも高いことから、注意が必要です。 COPDの主な原因は喫煙であり、有害物質を長期間吸い込むことにより、肺の中の気管支に炎症が起き、せきやたんが出たり、空気の流れが低下します。また、炎症により肺胞が破壊されると、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能の低下を引き起こします。 一度変化を起こしてしまった肺は、元に戻ることはなく、治療では、症状の緩和・維持、将来リスクの低減が目標となります。治療は、禁煙、薬物治療、呼吸リハビリテーションが中心に行われます。 写真はイメージです。 Continue Reading ->

喘息とCOPDの合併症-ACOってなに

[ACO-喘息とCOPDの合併症] 息苦しさ、咳、痰などの似たような症状が共通する「喘息」と「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」。しかし、喘息とCOPDでは発生原因、症状の現れ方、治療方法、予後など異なる点がいろいろとあります。 似てるようで異なる喘息とCOPDが合併してしまう「ACO(asthma COPD overlap)-喘息COPDオーバーラップ」と呼ばれる病態があります。 ACOはおもに40歳代以降からみられ、とくに高齢者に多くみられます。COPDの患者さんでACOの方は20%~50%、喘息の患者さんの中でCOPDの方は20%~30%と報告されています。 最初に喘息とCOPDについてみていきましょう。 [喘息とCOPDとは] 喘息とCOPDは広く知られている病気ではないでしょうか。簡単に整理してみましょう。 -喘息- 喘息は花粉、ダニ、ハウスダストなどによるアレルギー性のものと運動、風邪などの感染症、大気汚染など非アレルギー性のものがあります。気管支が可逆的(元に戻る)に狭窄する気道の慢性炎症性疾患です。 「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴、激しい咳が出る、呼吸が苦しくなるといった症状が現れます。年代に関係なく発症し気道の狭窄により命にかかわることもあります。 -COPD- COPDは主に喫煙や職業上で有毒物質に長年にわたりさらさせることでゆっくりと進行していく疾患です。咳、痰、からだを動かしたときに息切れといった症状が現れます。 気道の閉塞や肺の肺胞という組織が破壊される肺気腫の状態になり治療で元に戻ることがありません。重度になると呼吸不全を引き起こします。 -喘息とCOPDの特徴は- 喘息とCOPDの特徴を簡単にまとめてみました。   喘息 COPD 発症年齢 子供の時に発症することが比較的多いがどの年代にもみられる。 40歳以上から。とくに高齢者に多い。 喫煙や有害物質の暴露 必ずしもあるわけではない。 ほとんどの場合にみられる。喫煙が多い。 呼吸器症状の現れ方 一日の中や特定の期間内で症状の変化がある。夜間や早朝に悪化する。 持続的な症状がみられる。特にからだを動かしたときに悪くなる。喘息のような変動はまれ。 症状の収まり方 自然もしくは治療で症状が改善される。 治療の有無にかかわらず慢性的にゆっくりと症状がすすむ。 胸部X線、胸部CT 通常は問題ない。 肺の過膨脹や特徴的な気腫病変など異常所見がみられる。 寛解もしくは治癒 治療により期待ができる。場合によっては気道粘膜が肥厚化して元に戻らないことがある。 治療を行えば進行を遅らせることができるが治癒は難しい。 合併症 アレルギー性鼻炎を代表するアレルギー疾患など。 心疾患、肺がん、骨粗しょう症など。 このような喘息の特徴とCOPDの特徴を両方持っているのがACOです。ACOについてもう少し詳しくみてみましょう。 [ACOはどのような病気] ACOは喘息とCOPDが同時に発症するということではなく、たとえば喘息の方で長期間の喫煙歴があってCOPDを発症する場合やCOPDの方がなんらかのアレルギー感作を起こし喘息を発症するといったことがみられます。 喘息の患者さんは、気道過敏性の亢進(刺激によって容易に気管支が過敏に反応すること)や肺の発育が健常人より劣ることが報告されていて、COPDになる危険因子を持っています。 COPDの患者さんは肺気腫によって気管支が過敏に反応して咳だけの軽い喘息症状であっても気がつかずに経過して喘息が顕在化してくるなど喘息とCOPDはお互いに発症する危険因子が高いといわれています。 喘息とACOの両方の疾患の特徴を持っている患者の存在は目新しいことではなく以前より知られていましたが、同じような症状を示す喘息とCOPDからACOの診断は難しいといわれていました。 喘息の治療とCOPDの治療は異なります。ACOの場合には喘息とCOPDの両方を考慮した治療が必要になります。喘息、COPD、ACOのそれぞれを区別して考える必要がありますよね。 このような中、2017年末に日本呼吸器学会は「喘息とCOPDのオーバーラップ診断と治療の手引き」の中でACOの診断手順を明らかにしました。 診断手順では喘息の特徴を4項目、COPDの特徴を3項目として喘息、COPD、ACOをそれぞれ診断できるように作れていています。 特徴的なのは専門医でなくて使いやすいように特徴的な項目を絞り込んだことです。喘息では4項目中2項目、COPDでは3項目中1項目、ACOは両方の条件を満たすものとしています。 診断項目 喘息 1.変動制の発作 2.喘息の既往歴 3.呼気中の一酸化炭素濃度 4.アレルギー性鼻炎の有無、気道の可逆性、血液検査結果など COPD 1.喫煙歴など 2.胸部CTでの異常の有無 3.肺拡散機能検査結果 注:喘息と診断されるのは1から3のうち2項目もしくは1から3のうち1項目と4のいずれか2項目があてはまった場合です。 ACOを単独の喘息やCOPDと比較してみましょう。 ・ACOは空気の通り道である気道や気管支が狭くなり息をうまく吐き出せなくなる気流閉塞が発作的かつ持続的に発生するためにQOLに大きな影響をもたらします。 ・ACOは憎悪しやすさや重症化しやすさが2倍と高くて呼吸機能の低下が速いことも知られています。 診断手順が整理されたことで、より適切な治療を受けられるようになることが期待されます。 喘息もCOPDも命に影響を及ぼす可能性がある病気です。とくに40歳以上の方で気になる症状があればお医者さんを早めに受診しましょう。   Continue Reading ->

好酸球型COPDに対するメポリズマブの有効性

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)は、喫煙などが原因となり発症する肺の炎症性疾患です。530万人以上の患者さんがいると推定されていますが、実際に治療に取り組んでいるかたは、1割にも満たないと言われています。COPDは男性の死亡原因の8位となっており、命を落とさないためにも早期に発見し、適切に治療を行うことが大切です。 COPDとは COPDは、長期間の喫煙が主な原因となり肺に炎症が起こる、肺の生活習慣病です。喫煙者の15~20%がCOPDを発症するといわれています。 有害な物質を長期間吸入すると、肺の細い気管支に炎症が生じ、内側が細くなることで、空気の流れが悪くなります。また、有害物質が肺胞まで到達し、炎症を起こすと、肺胞壁が壊れ、弾力がなくなり、酸素と二酸化炭素を交換する機能の低下をひきおこします。 健常者の肺胞(左)とCOPD患者の肺胞(右)の比較図。 肺胞壁の破壊による肺胞自体の減少などが見て取れる Continue Reading ->

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は隣り合った病変とくっつきながら進行している

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、たばこの煙を主とする有毒物質を長期間吸入することによって生じる肺の炎症による病気です。 COPDの患者数は全世界的に増加しており、2020年までに全世界の死亡原因の第3位になると推測され、厚労省の「第2次健康日本21」でも、克服すべき生活習慣病のひとつに組み入れられています。 COPDの症状は、慢性の咳、痰と労作性の息切れが出現し、緩徐に進行します。典型的な身体所見も重症になってから初めて現れることが多く、早期に気づきにくいことがあります。 そのようなCOPDがどのように進展しているか、ご存知でしょうか。 COPDのデジタル解析 COPDは肺の微細な構造が破壊されている気腫病変と空気のとおりみちである気道が拡張する非気腫病変が特徴的です。 それぞれの病変は胸部CT検査において、低濃度吸収域(Low Continue Reading ->