人に感染する鳥インフルエンザの対応について

朝ご飯に卵かけご飯を食べて、金曜日の夜は焼き鳥にビールで乾杯!という人もいるのではないでしょうか。

私たちの食生活の中で貴重な栄養源となっている卵や鶏肉ですが、近年の鳥インフルエンザの流行でそれらを生産する養鶏業者は打撃を受け、海外では人に感染する鳥インフルエンザまで発生しています。

人に感染する鳥インフルエンザの危険性と対応について、皆さんは考えたことはありますか?

2013年に初めて鳥インフルエンザの報告

鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスが初めてヒトへ感染した症例は、2013年3月に中国からWHOへ報告されました。

これ以後2017年3月16日までに1307例が報告されており、そのうち約3分の1の374例が死亡しています。

感染地域は主に中国本土ですが、中国本土に滞在歴がある人や、中国本土から輸入した鳥との接触歴のある台湾・香港・マカオ・マレーシア・カナダでも感染が確認されています。

鳥インフルエンザは冬に流行 鳥との接触がきっかけ

おもに冬に大流行し、2013年から現在まで5つの期間に大流行しています。

感染した人の数は時期別に見ると、第1波が135例、第2波が320例、第3波が226例、第4波が119例となっています。

感染した人の年齢や性別、重症例の割合、鳥への接触歴はこれまでの流行期と変わっていないにも関わらず、2016年10月から始まった第5波がこれまでよりも流行の始まりが相対的に早く、広い範囲に発生しています。

感染者のほとんどが成鳥に接触したことがあるか成鳥市場に訪問したことがあることもわかっています。

鳥インフルエンザの症状 注意すべき点

H7N9ウイルスに感染した場合、大体3日~10日で、発熱、咳、呼吸困難、頭痛、筋肉痛、身体のダルさ、下痢、嘔吐の症状が現れ、重症の肺炎になります。

これらの症状の他に、急性呼吸窮迫症候群、横紋筋融解症、急性腎不全、ショック症状を併発します。

死亡した感染者には高齢、慢性的な肺の病気、免疫が落ちている、インフルエンザの薬であるオセルタミビルの投与が遅かったという特徴がありました。

鳥インフルエンザを疑った場合の対応

中国での鳥インフルエンザの流行に伴い、日本では2013年5月2日付の厚生労働省から、38℃以上の発熱または急性呼吸器症状があり、症状や渡航歴、鳥への接触歴などからH7N9ウイルスに感染している疑いがあると判断するよう通知がありました。

疑った場合は保健所へ情報提供を行い、保健所と相談した上で喀痰や咽頭拭い液の検体採取を行うことになりました。

今後、更なる流行や日本国内での流行も考えられますが、人から人へ感染する可能性は低いと考えられています。

対策のためのワクチンの研究も進んでいますが、もし感染が確認されている地域に渡航する場合は成鳥に接触することや成鳥市場への訪問は控え、渡航後に体調の変化が見られる場合は医療機関で渡航内容を伝えてください。

参照:国立感染症研究所

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