1. 〜はじめに〜
普通に生活していたらあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、「バネ指」は誰にでも発症する可能性がある身近な病気です。
指が一本使えないだけで日常生活は不便極まりないものになりますが、実際に「バネ指」になると手先の不自由さに加わって、いちいち指が曲がる度に関節に激痛が走り、日常のなんでもない作業さえをも困難になっていきます。
今回は、割と身近な上にとても厄介な指の病気「バネ指」をお届けいたします。
写真はイメージです。 photo by photo AC
2. 「バネ指」って?
「バネ指」とは、指や指の関節が腱鞘炎になっている状態の事をいいます。
指を曲げたり伸ばしたりする時にカクンと引っかかるような感覚があり、指を伸ばそうとするとピョコンと勢いよく伸びる、まるでバネのような指の関節状態から、この病気は「バネ指」と名付けられました。
バネ指の発生率は男性も女性もあまり関係ないそうですが、やはり指をよく使う人に発症しやすい病気といえるでしょう。
女性の場合はホルモンバランスが乱れた時、例えば妊娠中や出産後、または更年期障害の一部として発症しやすい傾向があります。
3. 意外と身近な「バネ指」
一般的に自動車工場や部品工場で勤務している人の他にも、物書きや漫画家、庭師や美容師など「手に職」のある人にバネ指は多いといわれています。
耳馴染みの少ないバネ指は一般的に職業病の一つと思われがちですが、実は身近なところにもバネ指になる危険がたくさん潜んでいます。
ゴルフやテニスといったスポーツから、編み物やボーリングやテレビゲーム、時としてスマホの使い過ぎでもバネ指になる可能性があるのです。
写真はイメージです。 photo by photo AC
…かといって日常生活で手を使わないというのは難しい所ですが、「少し我慢していたら気付かないうちに症状が進行していた」そんなことにならぬよう、指に違和感を感じたら無理をせずに休憩を挟むこと、症状が改善しなければすぐに病院へ行くことが大切です。
4. 「バネ指」の症状とは?
わかりやすい症状として「スムーズに指の曲げ伸ばしができない」「曲げようとするとひっかかりを感じる」などがあり、度合いによっては「指の付け根部分に痛みや腫れなどが起こる」場合もあります。
実際になった人なら分かると思いますが、指を曲げたり伸ばしたりする行為にはその都度激しい痛みも伴います。
しばらくすると指の付け根部分に腫れや痛みが続くようになり、その指は一定の角度で曲がったまま伸びなくなってしまいます。
こうなった時はもう自分ではどうすることもできません。指に少し触れただけでも激痛が走り、鎮痛剤なしではいられなくなります。
5. 「バネ指」になった時はどうすればいい?
バネ指になってしまった時に一番大切なことは、指をあまり酷使しないことです。またすでに酷使し過ぎてしまった場合は、木のヘラやサポーターで指を固定するなどしてしっかりと指を休ませてあげましょう。
指の関節を固定すると痛みを感じにくくなるので、医師と相談しながら何か一工夫するのも良いでしょう。
バネ指が痛む時は安静にしてアイシングをするのがおすすめですが、何をしてもどうしようもならなくなった時は、薬物投与、注射、温熱療法やレーザー治療などの対処療法を行っていきます。
より酷い炎症には直接靭帯性腱鞘を切り取る手術も必要となります。
但し、治療をしてバネ指が治ったように感じても、再発する恐れが十分にありますのでくれぐれもご注意ください。
写真はイメージです。 photo by photo AC
6. 「バネ指」まとめ
・指、指の関節の腱鞘炎が「バネ指」
・バネ指は指を酷使するとなりやすい
・誰でも発症する可能性がある
・治療後、患部の調子は良くなることがおおい
・再発の恐れが十分にあり、一度発症した人は要注意
コメント