今シーズンいまだかつてない猛威をふるっているインフルエンザですが、インフルエンザといえば11月ごろから春先に流行する病気として知られています。
冬に増える病気として、ほかによくしられているのが、循環器の疾患です。気候の寒さが刺激となって、寒いころになると循環器の病気の患者さんの具合が悪くなることが経験的に知られています。
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同時期に、インフルエンザと循環器の患者さんが増えていますが、いったい2つの病気にはかかわりがあるのでしょうか。
急性心筋梗塞とインフルエンザには関係あり
2018年1月に発表されたNEJMの報告によると、インフルエンザと急性心筋梗塞にはおおきな関係があったそうです。
以前から、急性心筋梗塞とインフルエンザに代表される呼吸器疾患には、かかわりがあることが示唆されていました。
今回カナダで、さまざまな方法で検出力の高いインフルエンザ検査をおこない、インフルエンザと急性心筋梗塞の関係を調べています。
急性心筋梗塞で入院した364人を対象にインフルエンザの関係性を調査したところ、直近1週間に感染性の呼吸器疾患をもつ人では、そうでない人にくらべておよそ6倍、入院する確率がたかく、インフルエンザB型では10倍にものぼりました。
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今回の研究は、そこまで患者さんのサンプルが多くないため、信頼性のある統計学的な数値にはバラつきがあるものの、以前おこなわれた研究や臨床的な経験からも矛盾はなさそうです。
インフルエンザにともなう急性心筋梗塞を防ぐには
インフルエンザ自体が、急性心筋梗塞を引き起こしているというよりは、急性心筋梗塞になる状態のわるい患者さんでは、インフルエンザのような比較的一般的な感染症でも状態がすぐに悪くなりやすいのではないでしょうか。
もともと健康なひとでもそうですが、心臓などに持病があって具合がわるくなりやすい感覚のある人はいっそう、インフルエンザにかからない努力をするのが肝心です。
外出するときはマスクをする、必要以上に人ごみにちかづかない、手洗い・うがいを忘れない、家族に風邪っぽい症状のあるひとがいたら、しっかりと距離をとり、室内でもマスクをしてもらうなど。
WHOでは、流行中のインフルエンザ予防接種も有効であるとしています。
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こういった当たり前の努力をして、インフルエンザにかからないようにすることで、持病の悪化や予想をしていない病気にかかるリスクを減らすことができるのではないでしょうか。
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