インフルエンザは、OTCの選択に注意が必要です

「風邪を引いた」と思う場合、市販の風邪薬で治そうとする人は多いでしょう。

しかし、「インフルエンザ」の症状が疑われるときは、安易に市販の風邪薬(OTC薬)を選ぶことは控えなければなりません。OTC薬では、インフルエンザの高熱や重い倦怠感に対応できるものが少なく、むしろ、副作用によって重篤な後遺症が残る危険性があります。

なかでも、アスピリンが配合されたOTCは、15歳未満の服用は禁忌です。インフルエンザ罹患の際に服用すると、ライ病症候群という死亡率の高い疾患を発症する恐れがあります。


写真はイメージです。 photo by photo AC

 

インフルエンザにはアセトアミノフェン

インフルエンザの症状に対応できるOTCの成分として、「アセトアミノフェン」という解熱・鎮痛成分があります。これは、一般の解熱鎮痛成分のなかでも副作用の心配が少なく、様々な市販薬に配合されている成分です。

ただし、アセトアミノフェンはインフルエンザの原因であるウイルスを殺すものではありません。有名な「タミフル」などの「抗インフルエンザウイルス薬」と同じ役割は果たさず、ただ熱や痛みの症状を抑える薬として、服用されます。

日本小児科学会でも、「インフルエンザの発熱への対症療法」として、アセトアミノフェンを推奨しています。もちろん大人が服用しても解熱・鎮痛効果は期待できます。医療機関から処方されるような強い効き目はありませんが、副作用の心配も少なく、安心して服用できる薬の成分として、覚えておきましょう。

インフルエンザに使える漢方薬


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また、漢方薬の一部には、インフルエンザに保険適用できる薬があります。中でも有名なのは「麻黄湯」です。

タミフルなどの「抗ウイルス薬」と同等の効果があるといわれ、脚光を浴びています。「麻黄湯」は、インフルエンザの初期に服用するのが適切です。発汗を促して高熱を下げ、節々の痛みを取る効果が期待できます。
また、インフルエンザが長引いて辛いときは、「柴胡桂枝湯」や「竹茹湯胆湯」が使われます。

「柴胡桂枝湯」は、熱は引いたものの吐き気が強い場合に服用します。胃に不快感があるときはこちらを選びましょう。
「竹茹温胆湯」は、痰のからむ咳がひどく、眠りを妨げられている人に使用します。

こちらで紹介した「麻黄薬」「柴胡桂枝湯」「竹茹湯胆湯」が、現在、インフルエンザに保険適用が効く漢方薬です。OTCの選択肢として覚えておきましょう。

 

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