お医者さんにかかると「食べすぎですよ、すこし食べる量を減らしてやせてください」と言われる方も多いと思います。
カロリー制限を行うことで本当に長生きできるのか、気になる方も多いでしょう。
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マウスの実験でカロリー制限の効果はわかっていた
いままで、マウスなどの動物実験では、
カロリー制限を行うことで、寿命を延ばしたり、加齢にともなう病気をおさえるのは知られていました。
マウスで当てはまることが、人間であてはまるかどうかは分かりません。
2017年1月のNatureに、人間に近い生物学的な因子を持つといわれるアカゲザルで行った研究結果が、発表されました。
アカゲザルでどんな研究が行われているのか
発表された内容は、
アメリカの国立老化研究所、ウィスコンシン大学それぞれで行われていた研究結果をあわせて分析し、まとめたものです。
2つの研究機関では、アカゲザルの年齢、生まれた地域、食べた食事、食事の摂取方法、カロリー制限の仕方に違いがあります。
国立老化研究所 | ウィスコンシン大学 | |
被験サル | 1~23歳までと年齢の幅が大きい。原産地はインドまたは中国。 | 7~15歳までと年齢の幅が狭い。原産地はインド。 |
与えた食物 | 天然の素材が主体。 | 精製された食べもの。不足すると想定されうるビタミン、ミネラル等を追加付与。 |
食事の摂取方法 | 若干の制限あり。 | 制限無し。 |
カロリー制限の方法 | 人間を対象とした標準食のデータをもとにカロリー制限。 | サルが自由に食べてしまう食物量に対して、30%のカロリー制限。 |
これだけ、実験環境に違いがあると、単純な比較はできませんし、結果も異なっています。
今回、この違いを吸収して、
アカゲザルの年齢を若年と中高年にわけ、環境の違いなども踏まえ、解析した結果いくつかのことがわかりました。
今回の研究でわかったこと
①若いうちからカロリー制限をしても効果はみられず、中高年からカロリー制限を行ったアカゲザルは健康の増進がみられた。
②加工食品を食べていたウィスコンシン大学のアカゲザルは、カロリー制限の効果が顕著に現れた。
③メスのアカゲザルのほうがカロリー制限しないと悪影響がでやすかった。
今回の解析では、老化を遅らせる決め手となる要因や具体的なカロリーの制限値まで見出すことにはたどりつけませんでした。
適度なカロリー制限は効果がありそう
今回の結果を人間にあてはめてみますと、
・中高年からの適度なカロリー制限は、健康の増進に役立ち、自然と長生きにつながりそう
・特に女性はカロリーの取りすぎに気を付けたほうがいい
・若いうちからのカロリー制限に関してはなんともいえない
こういったところでしょうか。
今後は、どのような食事が、健康状態を良くしてくれるか、長生きに繋がってくるのか分かってくると素晴らしいですね。
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