脳にダメージを残さずラットの頭部移植に成功

臓器移植のニュースは度々耳にしますが、頭部移植はなかなか耳にしないと思います。しかし、これまでにも犬や猿を用いた頭部移植実験は行われていました。

今回、ラットを用いた頭部移植手術で、脳にダメージを残さず移植に成功した実験(原文英語)が行われました。

ラットの頭部移植実験の方法

これまでの頭部移植実験では、移植された頭部と新しい身体との相性が合わず、激しい拒絶反応を起こして死亡してしまったり、移植に成功できても長生きできないことがありました。

今回は頭部を切断されるドナーのラット、移植を受けるレシピエントのラットの他に第三者のラットを用意し、

ドナーのラットの血管を第三者のラットの血管とつなげて血液の循環を保ちつつ、レシピエントのラットに頭部を移植し、手術が終わってから、ドナーの頭部の血管とレシピエントの血管をつなげました。

これにより、手術中もラットの脳は正常に活動し続け、手術後も脳にダメージはありませんでした。

人間の頭部移植への期待

人間の頭部移植を目的とした研究も進んでいて、イタリア人の医学博士がロシア人の難病患者の頭部移植手術を行う計画をしているという話もあります。

しかし、倫理的な問題や手術の成功の可能性など多くの問題があるため、更なる研究の余地があると言えます。

今回のラットを用いた実験が、人間の頭部移植手術につながっていくのでしょうか。成功に向けて大きな障壁がいくつも予想されますが、今後の展開がきになります。

参照:CNS Neuroscience & Therapeutics

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