広島カープ赤松選手 妻の支えで、半年間の治療を乗り越え復帰

広島東洋カープに所属する、プロ野球選手、赤松 真人(34)は、2016年12月の人間ドックにて、胃がんが発見され、12月28日の会見にて「初期の胃がん」を公表しました。また、がんは予想より進行していて、微細なリンパ節への転移もあったそうです。

胃がんについて

胃がんは、胃の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因により、がん細胞になって、増殖を繰り返すがんです。

がん細胞の成長に伴い、大腸や肝臓にも広がっていく可能性があります。このようながんの広がりを、浸潤(しんじゅん)といいます。また、がん細胞がリンパ液や、血液の流れに乗り、場所を移動し、たどり着いた場所で増殖することを、「転移」といいます。

転移は、早期がんでも起こるうる可能性はあります。胃がんにかかる年齢は、40歳以降に多くなり、現在は胃がんの罹患率は、男女ともに減り、死亡率も減少してきているといわれています。

 


赤松 真人 photo by Wikipedia

胃がんの初期症状は、上腹部に痛みや違和感を感じる、消化不良、胸やけ、などを訴える人から、まったく症状もない人までさまざまです。そのため、胃にがんができてしまったとしても、症状が同じ、胃炎や胃潰瘍などのよくある病気だと思い込むことや、発見される大きさに至るまでには何年もかかり、発見が遅れてしまうというケースがあるといわれています。

胃がんの治療法としては、手術を行う外科的治療と、抗がん剤などの薬物を用いて行う、化学療法があります。他にも、免疫治療や放射線治療などもあります。

今回、胃がんを患った赤松選手は、手術で胃の半分を摘出する手術を受けました。さらに手術後、摘出された胃の細胞や組織を詳しく調べた結果、胃粘膜の下にある筋層に、がんが浸潤していたといいます。

医師からは、「思っていた以上に進行していた。」とコメントがあり、抗がん剤による化学療法をすすめられ、抗がん剤治療を開始しました。この時、赤松選手のがんステージはⅢA。ステージに関しては、あまりピンとこない方は多いと思うのですが、2017年6月22日、乳がんにより死去された小林麻央さんは、肺や骨への転移を併発しているステージⅣでした。

胃がんの病期(ステージ)について

胃がんのステージの分類は、ステージⅠA期・ⅠB期・ⅡA期・ⅡB期・ⅢA期・ⅢB期・ⅢC期とⅣ期とされています。ステージⅠ~Ⅲ期までは、胃がんの浸潤の程度と、リンパ節転移の程度で決定されます。浸潤、リンパ節転移の段階が上がるごとに、ステージが進んでいきます。

赤松選手が患っていたがんステージはⅢA期でした。胃がんステージⅢA期は、通常の開腹手術で、一般的に目に見えるがんは切除できたが、目に見えないがんが残るため、再発の予防治療が必要となります。胃がんのステージⅢ期の10年生存率は、38.9%と統計があがっています(10人に6人の方が、お亡くなりになります)。

赤松選手の復帰

抗がん剤治療は2種類で、飲み薬を1年間、じっくり使用するものと、飲み薬と点滴を併用し、半年で終わらせるものがあります。今回赤松選手は、副作用が強くても、半年の治療を選択しました。赤松選手は奥様である、寛子(ヒロコ)夫人に「なあ、ヒロ。俺は半年の方を選ぶことにした。1日でも早く復帰したい。」と語っていたそうです。

 

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それは、赤松選手が選択した、プロ野球選手として決意だったのではないでしょうか。7月7日に、赤松選手は夫婦の強い絆に支えられ、半年間の壮絶な抗がん剤治療を乗り越えました。7月11日からは手術後、初めてのキャッチボールを行うなど、軽い練習を再開され、今後も通院を続けながら、がんからの復帰を目指していいます。

現代、がん=死ではなく、医学の進歩から、生きることへの希望が持てる時代になってきました。早期胃がんの多くの患者さんは、定期検診を受けることによって発見されています。症状の有無に関わらず、定期検診を受けることが、早期発見のために、最も重要なことなのです。

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