人間ドックの実施施設で働いていると、「海外で勤務していて日本の健康保険証がないが、人間ドックは受診可能か」という問い合わせを受けることがあります。長期的に海外に滞在していて、日本の住民票を抜いている場合、日本の健康保険証を持つことができないので、このような心配をされる方が時々います。
写真はイメージです。 photo by photo AC
日本の健康保険証を持っていなくても、人間ドックを受けられるか、答えは「受けられる」です。人間ドックの費用はそもそも健康保険証あるなしに関わらず全額負担が基本で、費用はオプションを付けない通常のコースで3～4万円ほどです。福利厚生が充実している規模の大きい会社に所属している場合、健康保険組合がその何割かを負担することがありますが、多くの方の場合、会社の定期健康診断より検査項目が豊富な人間ドックは、健康保険組合からの補助は出ません。
保険証のない方が受診する際に注意するべきこととしては、受診時に本人確認のため運転免許証やパスポート等の提示が求められることがあることと、ドック時に異常が見つかり再検査や治療となった場合、ここからは保険診療の対象になるので、医療費を全額負担しなければならないことがあります。
しかし、医療費については異常が見つかってからその負担をどうするかを考え、保険料はかかりますが、日本滞在中一時的に国民健康保険等に入り直すこともできるので、まずは気軽に受診してみてください。
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海外在住者の方の中には、厳しい気候や不十分な衛生環境、食品安全の点から、健康に対する不安をお持ちの方、現地の医療水準や言葉に対する不安から、少々体調が悪くても、なかなか病院に足が向かない方も多いと思います。身体の不調は予期せずやって来るものですが、それが海外滞在中、しかも入院や手術が必要となると、海外保険に加入していて現地の医療費の一部は保険会社が負担してくれても、経済面、精神面両方において大変負担が大きいですし、治療のために志半ばで日本に帰国ということも避けたいものです。
特に留学や現地採用の方など、日本の会社の健康保険証を持っていない方は、費用がかかりますが、帰国時にはぜひ健康チェックを受けてみることをおすすめします。健康に自信を持った状態で滞在先に戻ることができれば、現地での仕事や勉強にもそれまで以上に励むことができると思います。
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