#はじめに
医療業界において、様々な医療関係のデータは日々増加し、そして膨大であり、それらの情報の管理や整理は多くの手間を必要とします。
そこで、多くの医療機関は、中央管理者によるクラウド管理を導入してきました。
権限をもった中央管理者が医療情報を統括し、必要に応じてその情報を利用する権利を与えるというものです。
写真はイメージです。 photo by pixabay
#現状の管理方法の問題点
ですが、これだと、様々な問題が生じます。
例えば中央管理者のサーバーがダウンした際に他端末の情報がやられてしまうことです。また、機械のアップデートの際も全部を通してやる必要があり大幅な時間を要したり、末端の利用者が情報を必要時に応じて利用するのに中央管理者の許可が必要であることなど、いわゆる中央集権体制になってしまい、それぞれの自立性が損なわれてしまいます。
#Peer to Peerシステム
そこで近年、利用され始めているのが、P2P(Peer to Peer)システムによるネットワークです。これは、各端末がネットワーク上で直接的に自立性をもって接続するシステムです。
こうした権限が分散された情報の管理において、情報が改ざんされないことが重要ですが、ブロックチェーン技術は相性が良いため、利用されます。
#ブロックチェーンの概要と良さ
ブロックチェーンという技術は、ある情報をひとかたまりにしてブロックにして、それらを暗号技術によるチェーンで繋ぐことで管理するシステムです。この技術により、改ざんされにくい、インターネット上で管理される暗号化された分散型公開台帳が実現します。
導入の利点は、暗号化、匿名化、電子署名によるセキュリティ機能を実装することです。
プライバシー管理が重要な医療業務ですが、これを中央管理者に一任するのではなく、患者や医者などの直接的な決定によるセキュリティレベルの設定が可能になります。
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#ブロックチェーンによる活用例
例えば、個人医療データのプライバシー設定の細分化、電子カルテをはじめとする医療・健康情報記録の共有、医療従事者の資格認定などへの活用が見込まれています。
医療という分野では、非中央集権によるリスク分散、トラストレスにより医療従事者による効率の良い情報の管理が見込めます。
#まとめ
P2Pネットワークとブロックチェー技術を組みわせると、データの正確な記録、認証、情報共有、低コストでのシステム運用など様々な医療業務の効率化が望めます。
この技術は、医療だけでなく、ビットコインに代表される決済手段、lot機器の遠隔管理、著作権管理など様々な用途で生かすことが出来ます。
今後の活用が期待される技術です。
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