薬の飲み方~危険な飲み合わせ、食べ合わせ~

薬局で買った薬や病院で処方された薬、飲み方に気を使っているでしょうか。

手近にあるコーヒーやお茶で飲んでいたり、食後のフルーツを食べた後に飲んでいたりしませんか?

その食べ合わせ、薬の効果が半減したり、逆に効果が強くなりすぎてしまう事があるんです。

 

そんな薬の飲み方の危険な飲み合わせや食べ合わせについて紹介します。

 

【薬はなぜ効くのか】

薬の正しい飲み方知るには、まず薬がどうして効くのかを知る必要があります。

 

薬は飲んだ後、胃や腸で吸収されて血流にのって肝臓に運ばれていきます。

肝臓には物質の代謝や解毒を行なう機能があるため、肝臓にたどり着いた薬の成分はここで代謝・分解されます。

 

この代謝物や、分解されずに残った物質が全身に運ばれて、各所の細胞へと働きかけます。

具体的には細胞表面に存在する「受容体」と呼ばれる様々な成分の受け手へ、薬剤成分が結合することで細胞の働きを制御し、薬としての機能を発揮します。

 

飲み合わせや食べ合わせで薬が効きにくくなったり、逆に効きすぎてしまう作用は、この薬の機能を発揮するまでの流れのどこかで、一緒に摂取した物が何らかの影響を与えるからなのです。

 

【様々な薬の飲み合わせ、食べ合わせ】

では、薬の飲み合わせや食べ合わせについていくつか紹介しましょう。

 

◆グレープフルーツ


写真はイメージです。 photo by photo AC

グレープフルーツは薬の効果を高めてしまい、却って危険な状態になる事があります。

特に危険なのは「カルシウム拮抗薬」と呼ばれる血圧の薬との飲み合わせです。

 

これは、グレープフルーツに含まれる「フラボノイド」という成分が、小腸での薬剤の分解作用を邪魔してしまうため、通常予想されているよりも多くの薬剤成分が血流に流れてしまうために起こります。

 

グレープフルーツの他にも、ブンタンやダイダイ、いよかん、八朔などもフラボノイドが多く含まれる可能性があるので、薬を飲んでいる間は摂取を避けるのが無難でしょう。

また、果実そのもの同様、ジュースにもフラボノイドが含まれている可能性があるので、こちらも摂取には気を付けてください。

 

◆納豆


写真はイメージです。 photo by photo AC

 

意外な事に、納豆と食べ合わせの悪い薬もあります。

血液を固まりにくくする抗血栓薬のワルファリンです。

この薬は血液を凝固させる因子を阻害することで血液を固まりにくくし、血栓形成を予防してくれます。

 

この血液凝固因子はビタミンKに依存して働くため、納豆に多く含まれるビタミンKによって薬の効果を弱めてしまうのです。

 

◆アルコール


写真はイメージです。 photo by photo AC

 

アルコールと薬を一緒に飲むのは、何となく危険な香りがしますよね。

 

特に危険なのは睡眠薬との組み合わせです。

アルコールは吸収された後、脳に到達すると脳の活動の一部が抑制される作用があります。

 

ここに更に脳の活動を抑える睡眠薬を摂取すると、脳の活動が過度に抑制されてしまいます。

この結果、時には意識不明に陥ったり、最悪の場合は命を落としてしまう事さえあるので、特に注意が必要です。

 

【まとめ】

今回は特に危険な薬との組み合わせであるグレープフルーツ、アルコールとの組み合わせと、ちょっと意外な納豆との組み合わせを紹介しました。

 

グレープフルーツ(フラボノイド)やアルコールは他にも相性の良くない飲み合わせが多くあります。

 

薬の効き方は個人差が大きいので一概には言えませんが、特に危険な組み合わせに関しては注意するに越したことはありませんが、多くの薬はコップ一杯の水で飲むのが無難です。

 

また、食事との相性の他にも、薬どうしの飲み合わせも相性の良し悪しがあります。

「薬が合わない、効き目が感じられない」なんて時や、新しく処方される薬と普段飲んでいる薬との相性などの不安要素がある時は、自己判断で薬を加減せずに薬剤師やお医者さんに相談してみてくださいね。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました