乳がんの罹患率は女性11人に1人 セルフチェックと乳がん検査で早期発見を!

「ちびまる子ちゃん」の作者である漫画家のさくらももこさんが、53歳という若さで乳がんによって亡くなれたニュースが流れて驚かれた方も多いと思います。

さくらももこさんのニュースが流れてから、乳がん検査の注目が高くなったようですね。

ちびまる子ちゃん、大好きでした。心よりお悔やみ申し上げます。私も検診に行かないと。

乳腺専門医の先生のおはなしです。有名な方が乳がんで亡くなったとか治療中というミュースが出るとそのあとだけはいつも混むとのこと。そうじゃないときにも検査に行ってくださいね。

さくらももこさん以外にも、多くの芸能人や著名な方の「乳がん」であるというニュースが多いと感じませんか。

小林麻央さん、麻木久仁子さん、南果歩さん、北斗あきらさん、倍賞千恵子さん、矢方美紀さんなど名前を挙げきれないほどいらっしゃいます。

[日本の乳がん事情は]

写真はイメージです。photo by pixaboy

日本で乳がんに罹患する女性は全女性の9%、約11人に1人が乳がんにかかるといわれています。年々、患者数は増加傾向にあります。

女性の全がんの中で、乳がんの罹患者数では1位、死亡者数では5位です。また、低年齢化が進んでいるともいわれています。

年代別の罹患者数をみると40代前後から急激に患者数が増加します。しかし、その一方で亡くなる方の数は減少傾向にあります。

わたしは7ミリの乳がんだったから部分切除ですみました。健康診断で要精密検査ってなったのが7月初頭。病院行って乳がんの診断、お盆に手術。とにかくスピードが命だと思います。

私は乳がんの手術をしました。さいわいにも早期でどこにも転移していなかったので助かりました。発見が遅れると大変なことになります。定期的に検査を受けましょう。

乳がんは早期に見つかれば、ほかのがんと比較して生存率が高く、治りやすいがんであることが知られています。

乳がんを早期に発見して適切な治療を受けために大事になってくるの「乳がん検査」ですよね。

マンモグラフィの前評判は「痛い」の一点張りだったので行っていませんでした。

マンモグラフィに行く暇がない・・・。友人は仕事休めないといって発見が遅れました。

乳房が引きつる異常を感じています。病院にいくのがこわいです。

乳がんの検査について、「痛い、忙しくい、怖い」などと躊躇されてしまう方も少なくないようです。乳がんの検査とはどのような検査でいつ受けたらいいのかみてみましょう。

乳がんの検査というと「マンモグラフィ」と「エコー検査」が思い浮かびますよね。「セルフチェック」も大事であるといわれています。

[まずはセルフチェックから]

小林麻央さんの追悼番組をみて気になってセルフチェックしました。しこりのようなものが。検査で乳がんとわかりました。

お風呂で胸を洗っていてゴリットした感じがしました。母と妹が乳がんでした・・・。病院で検査を受けたところ乳がんでした

写真はイメージです。photo by photo-ac

乳がんを発見のきっかけとして多いのは、患者さん自身がなんらかの異常に気がついたからということです。乳がん発見のきっかけの50%以上を占めているといわれています。

わたしはずっとエコー検査だけ受けていました。胸にしこりがあると感じて詳しく検査してもらったら乳がんが見つかりました。

私の母は乳がんでした。乳がん検診では異常はでていませんでした。痛みとしこりあるからおかしいと先生に言って精密検査で見つかりました。

1年に1度は乳がん検査をしているから大丈夫だと思っていても、次の検査のときまで乳がんが進行してしまう場合や検査でうまく拾えないという場合もあります。

そのためにも、日ごろからセルフチェックを心がけましょう。

セルフチェックは、自分のからだの正常な状態を知っておいて「普段とは違う」、「なにかおかしいという感覚」を大事ためです。過度に神経質にならないように注意してくださいね。

セルフチェックの方法には視診と触診があります。

◇視診

小さな変化に気づくために、チェックする習慣を身につけましょう。鏡の前で両腕を下した状態と両腕を上げた状態でみてみましょう。

・左右の乳房を見比べて大きさや形がおかしい。

・乳房にくぼみや引きつりがある。

・乳房に赤い発疹ができてきた、発疹が広がってきていた。

ブラジャーに血がついていた、乳頭から血がまじった分泌物がでている場合も注意して下さい。

◇触診

月に一度、決まった日におこないましょう。生理が終わってから1週間後ぐらいがいいといわれています。閉経後は日を決めておこないましょう。

触診でしこりなどがないかチェックします。乳がんは、乳房上部の脇の下側にあたる部分に多い事が知られています。触診の方法は以下の動画を参考にしてくださいね。

日本エステティック協会 ピンクリボン運動:乳がんセルフチェック

[マンモグラフィ検査は石灰化や乳房全体の把握に]

億劫で乗り気じゃなかったけど検査。マンモグラフィは痛いと思いましたが、異常ないですっていわれてホッとしました。

マンモグラフィは、立った状態で撮影台の上に乳房を乗せて透明な板で上から圧迫して乳房を伸ばしていくつかの角度からレントゲン写真を撮ります。

触診でしこりとしてはわからない石灰化や触診で判断できないような小さなしこりなどを画像として捉えることができ、乳房全体の状態を把握することができます。

写真はイメージです。photo by irasutoya

◇マンモグラフィ検査は痛い?

先日、マンモグラフィと触診の検査をしました。女性の検査技師で撮影も手際良く、思っていたほど痛みはありませんでした

乳がん検診のマンモグラフィがとてつもなく痛いです。プレスできるギリギリまで胸を初対面の技師の先生が手でつまんで引っ張るし・・・。恥ずかしい上に痛い検査でした。

マンモグラフィは乳房を圧迫するために痛みがでます。あまり痛みを感じない方から強い痛みを感じる方までさまざまです。

痛みと乳房の大きさとは関係ありません。乳腺が発達している方は痛みを感じやすいといわれています。

痛みをできるだけ避けるには、月経前の1週間程度は乳房が張って痛みを感じやすくなります。月経後の1週間から10日後ぐらいは乳房がやわらかい状態になるので検査が比較的楽になります。

◇マンモグラフィが不得意なのは

マンモグラフィでは乳腺も病変も白く映し出されてしまいます。そのために、「高濃度乳腺」といわれる乳腺の密度が濃い閉経前の女性の場合には病変部との識別がむずかしいといわれています。

とくに、40歳未満ではマンモグラフィの有効性が認められていません。40歳代でも70%以上の方が高濃度乳腺といわれています。

また、病変と周囲の正常乳腺組織が重なってしまうと判断できない場合があります。

[エコー検査は乳腺と病変の識別に]

エコー検査は痛みもないので2年続けて受けていました。3年目の検査で左の胸に黒い影・・・。マンモグラフィでははっきりわからず病理検査。結果は初期の乳がんでした。

エコー検査は、超音波を発生するプローブと呼ばれるセンサーを乳房にあてて、はね返ってくる音波を画像化して診断する検査です。

超音波ではマンモグラフィ検査とは異なり、乳腺は白く、がんが疑われる病変は黒く映し出されます。乳腺と病変の識別が比較的容易に行えます。

乳腺と病変の区別がつくので、比較的に高密度乳腺の女性の検査に用いられます。

写真はイメージです。photo by irasutoya

◇エコー検査が不得意なのは

乳房が大きくて深部まで超音波が届かない方は十分に検査ができない場合があります。

乳房全体の把握や微小な石灰化の検出が困難です。また、検査技師の技量よって結果が左右されてしまうことがあります。

[ほかの検査方法はないの?]

乳がん検査ももっと楽な方法が発明されて欲しいです。

マンモグラフィやエコー検査以外に、乳がんを発見するための検査方法がいくつかあります。最後にコラムとしてまとめておきましたので興味がある方はご覧ください。

また、ほかの検査で異常があって詳しい検査を行う場合や乳がんの術前検査でがんの広がり方などを特定するために、「MRI検査」を行うことは比較的多くみられます。

必要に応じて、血液検査や遺伝子検査なども行われる場合もあります。

[乳がん検査を受ける時期はいつがいいの]

厚生労働省では、「40歳以上で2年に1回のマンモグラフィ」を推奨しています。

多くの自治体では、この推奨レベルをふまえて40歳以上の女性に2年ごとに無料クーポンなどを配布しています。

2年に1回で大丈夫なの、40歳前の人は検査しなくて大丈夫なの、マンモグラフィだけで十分なのなどいろいろと考えてしまいますよね。

マンモグラフィもエコー検査もどちらも受けた方が良いと思います。わたしはマンモグラフィで問題なしといわれてきましたが、エコー検査を受けたところがんが見つかりました。

同級生で主婦の友達はあまり乳がん検査を受けていないことにびっくりしています。わたしは前職では30歳から任意で検査できたので、ずっと乳がんの検査受けています。マンモグラフィよりエコー検査と言われたこともあって毎年交互に検査しています。

40代になったらマンモグラフィとエコー検査を受けるのがベターと聞いて、年1回の検査を受けていたので早期発見ができました。

マンモグラフィとエコー検査を併用すると安心な気もしますよね。東北大の研究結果では、マンモグラフィとエコー検査の組み合わせで乳がん発見率が1.5倍になったと報告されています。

乳がん検査結果photo by photo-ac

どのような検査を受ければいいのかは、年齢や体質によって変わってきます。検査の「目安」をまとめてみました。参考にしてくださいね。検査の頻度はできれば年1回もしくは2年に1回といわれています。

30歳未満30歳代40歳代50歳代以降
セルフチェック
エコー検査不要○※1△※2
マンモグラフィ不要不要○※1

※1:40歳代では、エコー検査とマンモグラフィの併用か交互に。※2:50歳代以降では、原則としてマンモグラフィのみ。補助的にエコー検査も併用。

人によって乳房の状態はさまざまです。家族に乳がんの方がいると体質や生活環境が似ているので乳がんになりやすいといわれています。遺伝性の乳がんも知られています。

年齢にかかわらず個人差があると考えておくといいでしょう。お医者さんと相談してご自身が納得できる検査を受けてください。

乳がんは、検査だけではなく日ごろのセルフチェックが大事なことです。もし、ご自身の乳房に異常を感じた場合には、「乳腺科」、「乳腺外科」、「外科」を受診してくださいね。

 

ミニコラム:マンモグラフィやエコー検査以外の検査方法はなに

これらの検査については、機器を導入している医療機関は限られており、検査によっては費用が高額になります。

◇PET-CT

PETという方法で全身のがんの位置を特定してCTで撮影する方法です。がんの広がり方やほかの部位への転移を調べることができます。

◇3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)

マンモグラフィより細かいスライスで画像の撮影をおこないます。画像を三次元処理することで乳房の状態を細かく確認することができます。乳腺が発達している人や乳腺の影にかくれた病変の発見なども可能です。

◇PEM(乳房専用PET)

PET検査を乳房用に特化したものです。PEM-CTよりも微細な病変を高い確度で発見することが可能です。ほかの検査ではシリコンの影響を受けてしまう豊胸手術をおこなった方でも影響を受けずに検査することができます

◇ABVS(乳房自動スキャン超音波装置)

スキャナーのように動いて乳房全体のエコー画像データを撮影します。検査技師の技量に左右されることがありません。撮影した画像を保存して、画像を加工することで縦や横から細かく診断することが可能です。

これら以外にも検査方法はあります。また、新たに開発中の検査方法もあります。

 

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