第108回看護師国家試験を解いてみた 問題解説 午前61~65 新生児の養育者に対する看護師の指導で正しいのはどれか

続きです。


61 新生児の養育者に対する看護師の指導で正しいのはどれか。

  1. 「脂漏性湿疹は石けんで洗いましょう」
  2. 「臍帯はおむつで覆いましょう」
  3. 「うつぶせ寝にしましょう」
  4. 「日光浴をしましょう」







新生児の脂漏性湿疹は皮脂の多さが原因です。石けんで洗いましょう。

臍帯は乾燥させてあげた方が良いのでなるべくおむつから出した状態にしておくと良いです。

うつぶせ寝は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク因子なので、推奨されません。

昔は赤ちゃんの健康に不可欠とされてきた「日光浴」ですが、1998年に母子手帳から日光浴を推奨する文章が消え、「外気浴」に変わりました。

よって答えは1になります。





62 先天異常で正しいのはどれか。

  1.  軟骨無形成症は低身長になる。
  2.  Turner<ターナー>症候群は高身長になる。
  3.  Klinefelter<クラインフェルター>症候群は低身長になる。
  4.  Pierre Robin<ピエール・ロバン>症候群は巨舌症がある。







軟骨無形成症は、軟骨細胞の異常によって骨の形成が阻害され、手足の短縮を伴う低身長になるとともに、全身に多様な症状が起こり得る病気です。

ターナー症候群とは、染色体異常の1つです。正常女性の性染色体が「XX」の2本なのに対し、X染色体が1本しかないことによって発生する一連の症候群のことで、低身長はターナー症候群によくみられる特徴です。

クラインフェルター症候群とは、性染色体異常の1つです。 本来であれば「XY」が正常な男性の組み合わせですが、クラインフェルター症候群ではこの組み合わせに異常が生じ、「XXY」を有することで病気が引き起こされます。高身長はクラインフェルター症候群によくみられる特徴です。

ピエール・ロバン症候群とは新生児において希に起こる先天性かつ複合的な疾患で、主な症状として小下顎症または下顎後退症 、舌根沈下、気道閉塞(狭窄)が揃って見られます。 その結果として呼吸困難が、出生時から最大の問題となります。

よって答えは1になります。






63 平成16年(2004年)に性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が施行され、戸籍上の性別を変更することが可能になった。

その変更の条件で正しいのはどれか。

  1.  15歳以上であること
  2.  うつ症状を呈していること
  3.  現に未成年の子がいないこと
  4.  両親の同意が得られていること









第107回午前の54番に続いて性同一性障害の問題になりますね。



二人以上の医師により、性同一性障害であることが診断されていること。二十歳以上であること。現に婚姻をしていないこと。現に未成年の子がいないこと。生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。

簡単にいうと女性から男性に戸籍をかえる場合、子宮卵巣がない上に、男性器的な見た目のものが必要だということになります。

これらの条件を満たす時に、戸籍上の性別を変更することが可能になります。

よって答えは3になります。






64 日本における母の年齢階級別出生率の推移を図に示す。

図の矢印で示してある年齢階級はどれか。

  1.  20~24歳
  2.  25~29歳
  3.  30~34歳
  4.  35~39歳








年齢階級別出生率は30代で上昇傾向にあります。

出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai10/kekka02.html

よって答えは3になります。







65 女性を中心としたケア<Women centered care>の概念で適切なのはどれか。

  1.  父権主義を否定している。
  2.  周産期にある女性を対象とする。
  3.  全人的な女性という視点を重視する。
  4.  女性特有の疾患に関する看護を行う。







Women-centered Careでは、女性の健康に対する社会的・文化的・政治的な影響を重視し、女性の総合的なWell-beingを目標とします。それぞれの女性が、自ら定義する健康を志向する権利の保障のもと、女性が持つ力を十分に発揮できるよう支援します。

よって答えは3になります。



続き

コメント

タイトルとURLをコピーしました