2017年3月に新たに、尋常性乾癬の治療薬「コムクロ®シャンプー」が承認されました。今までには無かったシャンプータイプのお薬で、頭部の尋常性乾癬が適応症となります。
尋常性乾癬とは 病態と従来の治療薬
尋常性乾癬は、銀白色の皮膚の粉を伴った紅斑が発現します。こすれやすい肘や膝、頭部、腰周りなどに出やすい疾患です。
感染症ではないので、人にうつることはありません。命に関わることは稀ですが、周囲の人々からの視線が気になり生活の質が落ちてしまう患者さんは少なくありません。
尋常性乾癬の治療には通常、ステロイドやビタミンD3製剤が含まれた塗り薬から開始します。年々治療法が確立されて、治療の効果がみられる患者さんが増えてきてはいるものの、
頭部に症状のある患者さんの満足度は低いという報告もあります。
シャンプー型ステロイド 使い方と副作用
そこで開発されたのが、コムクロ®シャンプー(クロベタゾールプロピオン酸エステルシャンプー)です。本剤はステロイドを含む日本で初めてのシャンプータイプの薬剤です。
1日1回、本剤を症状の出ている所を中心に塗布し、15分後に泡立てて洗い流します。目や目の周囲に薬剤が付着した時には、眼障害が出る危険性がありますので、しっかりと洗い流すようにしてください。
副作用を防ぐためにも、使用後は手をしっかりと洗うこと、塗布しているときに頭部を覆わないことも注意が必要です。
コムクロ®シャンプーの効能と今後への期待
尋常性乾癬は皮膚が尋常でない速さで作られることにより症状がでてきます。また、炎症を引き起こす物質が放出されているため炎症反応が問題となってきます。
ステロイド薬はこの炎症物質の働きを抑えて、炎症を抑制する効果を発揮します。実際、コムクロ®シャンプーの臨床試験では患者の約3割に改善がみられたとの報告があります。
シャンプータイプのステロイド薬の誕生により、より多くの患者の症状改善が期待されています。適切に使用し、症状の改善を目指しましょう。
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