COPD(慢性閉塞性肺疾患)は隣り合った病変とくっつきながら進行している

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、たばこの煙を主とする有毒物質を長期間吸入することによって生じる肺の炎症による病気です。

COPDの患者数は全世界的に増加しており、2020年までに全世界の死亡原因の第3位になると推測され、厚労省の「第2次健康日本21」でも、克服すべき生活習慣病のひとつに組み入れられています。

COPDの症状は、慢性の咳、痰と労作性の息切れが出現し、緩徐に進行します。典型的な身体所見も重症になってから初めて現れることが多く、早期に気づきにくいことがあります。

そのようなCOPDがどのように進展しているか、ご存知でしょうか。

COPDのデジタル解析

COPDは肺の微細な構造が破壊されている気腫病変と空気のとおりみちである気道が拡張する非気腫病変が特徴的です。

それぞれの病変は胸部CT検査において、低濃度吸収域(Low attenuation area : LAA)、気道の拡張として認めます。LAAを異なった色彩で表現すると以下のようになっています。


photo by PNAS

さらに、Gaussian network modelをもちいてCOPDの進行に関するシミュレーションを行うとCOPDの新しい病変は、ランダムにできるわけではなく、隣り合ったかたまりが、裂けてくっついていくことがわかっています。


photo by PNAS with some modifications

シミュレーションでは、黄緑の部分が赤色部分に置き換わり、気腫病変が癒合しているのがわかります。

不可逆的な進行をたどるといわれているCOPDですが、どのように進行しているかということは医学の進歩で徐々にわかっています。

今後、さらに進行のメカニズムが明らかになることで、いままで不可逆的だと思われていた病状の進行をよりくい止めて、さらに、もとの良かった状態に戻す研究が待ち望まれます。

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