オーソライズドジェネリックとオートジェネリックとジェネリックの違い

医療保険の財政改善や患者の負担を軽減することを目的として、国ではジェネリック医薬品の使用促進に取り組んでいます。

平成30年から32年までにジェネリック医薬品の数量シェアを80%以上にすることを目標に、積極的にジェネリック医薬品を推奨しています。

そのため最近では、ジェネリック医薬品という言葉を耳にすることが増えてきました。

実は、ジェネリック医薬品と一言でいってもいくつか種類があることをご存知でしょうか。

ジェネリック医薬品とは

ジェネリック医薬品とは、先発品と同じ有効成分を同じ量含み、同等の効果、安全性が認められた薬のことを指します。

先発品に比べ研究開発費が抑えられることから、価格が安くなることが特徴です。

通常のジェネリック医薬品(GE)とよばれる薬は、先発品の特許が切れたあとに発売が開始されます。有効成分は先発品と同一ですが、

それ以外の添加物が異なるため先発品と全く同じ薬というわけではありません。

同じ薬ではありませんが、同等性がみとめられるだけでなく、形状や味などが改良され、飲みやすく工夫されている薬も数多くあります。

オーソライズドジェネリックとは

これに対し、先発品の特許がきれる前に販売が許可されることがあるジェネリック医薬品をオーソライズドジェネリック(AG)といいます。

AGは先発品を販売しているメーカーがジェネリック医薬品メーカーに特許の使用権を与えてつくった医薬品です。

有効成分だけではなく、添加物なども含めて先発品と同一の薬のことをさします。

日医工では、AGの中でも製法、製造所などが先発品と同じジェネリックのことをオートジェネリックとよび、区別しています。

オートジェネリックとは

たとえば、日医工から発売されているフェキソフェナジンやクロピドグレルはオートジェネリックとよばれます。

AGは添加物も同一であることから、一部の医療従事者や患者がもつ、

ジェネリック薬使用によって生じる症状変化への不安感や不信感を取り除くことが期待されています。

AGを含めジェネリック医薬品の有効成分は同一であるため、適応はすべて同じだと思いがちですが、

じつはGEとAGでは適応が異なることがあります。

先発品とAGとGEで適応症が異なることがある

一例として、クロピドグレルが発売になった際の適応症の違いが挙げられます。

先発品であるプラビックスは

1)虚血性脳血管障害の再発抑制

2)経皮的冠動脈形成術が適応される急性冠症候群・安定狭心症・陳旧性心筋梗塞

3)末梢動脈疾患における血栓・塞栓形成の抑制に適応がありましたが、

AGでは1)とその当時まだ特許が残っていた2)への適応が承認され、

GEでは1)のみの承認でした(※現在ではAG、GEともに先発品と同じ適応症となっています)。

ジェネリックが発売されたときには注意が必要

このように、適応症によって特許期間が違うと、同じジェネリック医薬品でもAGとGEでは発売時の適応症が異なることがあります。

今後さらなるAG、GEの普及からこういった違いが増えることが予想されますので注意が必要です。

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