知っていますか?心臓リハビリテーション

  • はじめに

我が国の死因第2位が心疾患であることは徐々に浸透し、生活習慣の改善や心疾患の予防が重要視されています。

そんな中、みなさんは心臓リハビリテーションという言葉を聞いたことがあるでしょうか?本記事では、心臓リハビリテーションとは通常のリハビリとどう違うのか、具体的にどんなことをするのかなどをご紹介したいと思います。

  • 心臓リハビリテーションとは

・どんなリハビリ?

「心臓リハビリテーションとは、医学的な評価、運動処方、冠危険因子の是正、教育およびカウンセリングからなる長期にわたる包括的なプログラムである」とされています(米国医療政策研究局の臨床診療ガイドラインより一部抜粋)。

要するに、運動の量や強さをしっかりと調整して、今後の予防に向けた取り組みもしていきましょうということです。単にその場で運動するだけだけでなく、未来の健康のために日々の努力を続けていくことが一般的なリハビリと異なる点ですね。


写真はイメージです。 photo by pixabay

・対象は?

急性心筋梗塞や慢性心不全など循環器を代表する病気をはじめ、脚の血管が細くなる閉塞性動脈硬化症など、心臓や血管に起因する病気全般が対象となります。

また、心臓の手術後においても、弱ってしまった体力を回復するために必要となります。

・具体的な内容は?

<急性期>

病気になってすぐの時期では、入院中に血圧や心拍数の管理をしながら歩く練習や筋力トレーニングを行います。循環器の病気では、点滴や内服薬の種類も多く、1日ごとに体の状態が変わることも多いため、運動の量や種類は慎重に決定しなければなりませんね。

<回復期>

入院からおおよそ2週間以上が経過した時期では、エアロバイクなどを用いた有酸素トレーニングなどが行われます。そのときも、心電図に異常が無いか・血圧に極端な変化がみられないかなどをチェックし、安全で効果的な運動をすることが大切です。また、食習慣の改善やストレスコントロールなど、運動以外の面にも少しずつ目を向けていく時期でもあります。

<維持期>

病気になって6ヶ月以上経った時期では、病院でしていた運動を自己管理のもと継続することが重要です。例えば、ウォーキングやサイクリングなどの身近な運動は日常生活にも取り入れやすいですね。

薬の管理や塩分・水分制限など、運動以外の管理も予防のためには大切です。日々の記録を手帳につけるなどして、自身のモチベーションを維持していくことが長く続けるためのコツですね。


写真はイメージです。 photo by pixabay

・誰がするの?

運動を指導するのは医師・看護師・理学療法士であることが多いですが、薬剤師や管理栄養士など他のメディカルスタッフもそれぞれの立場から指導にあたります。

施設によっては、専門学会から認定を受けた心臓リハビリテーション指導士が在籍していることも多く、実施するには循環器分野に精通したスタッフの教育が必要とされます。

 

  • まとめ

いかがでしたか?本記事では、心臓リハビリテーションについて簡単にご紹介いたしました。「失った機能を再獲得する」という通常のリハビリの概念に加えて、有酸素運動などを通じて生活習慣や心疾患の予防までを目的とした広い概念であると理解していただければよいと思います。

心疾患・腎疾患・糖尿病などは生活習慣の乱れが病気に直結する可能性が高く、今後も元気な生活を送っていくためには常日頃から健康管理を心がけることが大切ですね。

 

 

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