歯科予防処置~フッ素の知識をちゃんと知っていますか?

小さなお子さんを持つ親御さんとお話しすると「子供を虫歯にしたくない」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

「私みたいな思いをさせたくない」と自分の体験からそう思う方も多いですし、色々なメディアで紹介され昔に比べて歯科に対する関心が高くなってきているのもまた事実です。虫歯を予防する歯科予防処置。  今回はその1つの「フッ素」についてのお話です。

フッ素の3つのメリットとは?

フッ素を使うことで、歯の再石灰化をうながし、虫歯に強い丈夫な歯をつくり、虫歯菌の活動をおさえます。それぞれみていきましょう。


写真はイメージです。 photo by pixabay

歯の再石灰化の促進:食事をすると口の中は酸性に傾き、カルシウムなどの成分が歯から溶け出しますが、唾液の働きによって溶け出した成分が元の状態に戻されます。これを再石灰化と呼びますが、唾液中にフッ素イオンが存在するとこの再石灰化を促進してくれます。

虫歯に強い丈夫な歯をつくる:フッ素は再石灰化のとき、歯の表面のエナメル質の成分と結びついて、硬い構造になり強い歯にしてくれます。

虫歯菌の活動を抑える:虫歯菌は酸をつくり、その酸によって歯を溶かしますが、フッ素はその酸の量を抑えることができるので歯の溶けにくい環境をつくってくれます。  さらにフッ素の量や濃度も制限があるため、虫歯予防として通常の範囲内で使用している場合、安全性に問題はありません。

フッ素処置には大きく分けて2つあります

フッ素は危険!!という内容をインターネットで見かけることがありますが、フッ素塗布として歯科医院で使用しているフッ素は正式には「フッ化合物」といい、フッ素をその構造内に持っている化合物なため、元素記号「F」のフッ素ほどの毒性はありません。

フッ素の処置には、セルフケアとプロフェッショナルケアの2種類があります。

セルフケア:歯磨剤や洗口液 家庭で行う低濃度フッ素によるホームケアです。子供が小さく「うがいができない」「吐き出すことができない」という乳幼児には、飲み込んでも安心なレベルの低濃度500ppm以下のものもあり、歯科医院などで販売されています。

プロフェッショナルケア(歯科医院専門的処置):フッ素濃度は9000または12300ppmとなっており、セルフケアに比べると濃度の違いが一目瞭然です。そのため、セルフケアのように毎日使用はできず数か月に1度と間隔をあけます。実際の処置法としては、綿球法・トレー法・イオン導入法などありますが、一般的に多いのは綿球法で、綿球で歯にフッ素塗布をします。

間隔に関しては、口腔内環境や歯科医の考え方によって様々で、3か月に1度の場合や半年の場合もあります。

まとめ


写真はイメージです。 photo by WIKIMEDIACOMMONS

歯科予防処置としてのフッ素に関してお話ししましたが、フッ素はあくまで予防処置であり、歯磨きがしっかりされてなければ意味をなしません。

また、プロフェッショナル用のフッ素は味の種類がセルフ用よりも少なく、子供によってはその味を好まないこともあるため、あえて歯科医院でおこなうフッ素塗布もセルフケアと同濃度で低濃度のものを使用し毎月検診を行う歯科医師もいます。

どのようなものを使用し、どのような形で予防していくのか、気になることがあれば、是非この機会にかかりつけの歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。

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