「殺人マダニ」日本全国に死者報告増加

2017年7月24日、野外に生息しているマダニが媒介する感染症を持った野良猫が、女性に噛みつき、噛まれた50歳代の女性が死亡しました。厚生労働省は、都道府県などに注意を呼びかけ、マダニに関するパンフレットを作成しました。また、今回ダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群」が哺乳類介しての感染から、人が死亡した報告を受けたのは、世界初です。

マダニとは


マダニ photo by Wikipedia

「ダニ」と聞いて想像するのは、家の畳・カーペットにいる小さな虫が思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。しかし、マダニは全く別種類の生き物だとされています。マダニは、山の中や草むらに生息していて、それに触れた犬や猫に寄生し、吸血によりさまざまな害を引き起こすとして、有名です。その他にも、野生のウサギやシカやイノシシにも寄生すると言われています。また、マダニの種類は800種以上もあり、日本では、47種のマダニ生息していることが確認されています。生息時期としては、春~秋(3~11月)に多く、大きさは2~3㎜程あり、肉眼ではっりと見えます。

マダニに吸血されるとどうなる

今回は、野良猫を介しての被害が報告されていますが、実際に動物だけでなく、マダニが直接人に被害を加えるという例は多く存在しているのです。その中で死亡例も数多く報告されています。そして、SFTSウイルスを保有するマダニに噛まれることで、重症熱性血小板減少症候群に感染する危険性があります。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS とは

SFTSは、2011年に中国の研究者によって発表された、新しいウイルスによるダニ媒介性感染症です。SFTSウイルスに感染することで、一週間~二週間程の潜伏期間を経て、高熱・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢などの症状が現れます。その他にも、意識障害や失語などの神経症状・皮下出血・下血・出血症状などを引き起こしたという症例も報告されています。感染経路はマダニを介したものが基本とされていますが、血液や、罹患者の体液との接触により、人から人への感染も報告されています。そして、治療は対症療法しか存在せず、SFTSに有効な薬剤やワクチンはないとされているのです。

マダニから身を守る方法と、噛まれた際の対処方法

 


写真はイメージです。 photo by MaxPixel

山や草むらに近づかないことが、一番マダニの被害を避けることはできますが、実際ペットのお散歩やアウトドアなど、全ての人が排除するのは、難しいことです。山や草むらに行く際には、肌の露出は避け、虫よけスプレーを必須とします。そして、草や木にむやみに触れないように気を付けてください。帰宅後は、全身のチェックを行い、虫刺されやマダニの付着がないかしっかり確認することが必要です。もしも、マダニに噛まれたら、まず痛みやかゆみが出現し、赤い内出血が起こります。さらに、マダニは吸血中、皮膚に口先を食い込むようにしているため、無理矢理引っ張りだそうとすることで、口先が皮膚に残留してしまう恐れがあります。そうすることで、感染症や炎症を引き起こしてしまう危険性があるため、皮膚に切開を加え、取り出す必要になります。2017年に入り、マダニが保有していたSFTSによる感染が原因で、2人の人がお亡くなりになりました。マダニに噛まれた際は、まず一番に、医師に処置してもらうことが、最も重要とされています。

 

 

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