自分が生まれたときの体重を知っている人は多いと思いますが、日本では10人に1人の割合で低出生体重の赤ちゃんが生まれています。
生まれてきてくれた赤ちゃんが無事健康に育ってほしいという願いは、日本だけでなく世界中どこでも同じだと思います。
今回、アメリカで人工子宮を用いて低出生体重児の子羊を育てる研究が行われました。
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今までの人工子宮では胎児の心臓に負担が大きかった
アメリカでは、幼児の死因の3分の1は低出生体重児の脳性麻痺と考えられています。
人工子宮の研究はこれまでにも行われてきましたが、
母体と胎児をつなぐ循環システムに機械のポンプを用いていたため、胎児の心臓に負担をかけていました。
子羊の拍動を用いて心臓への負担を軽減
今回の研究では、人間の妊娠で23~24週目に相当する子羊を合成羊水で満たしたプラスチックの袋に入れ、最大28日間発育させました。
この人工子宮では従来の研究で用いられていた機械のポンプは使わず、
子羊の拍動だけで血液や酸素を循環できるようになっていて、心臓に負担をかけない仕組みになっています。
研究の結果、子羊は目を開け、羊毛が生え、呼吸、嚥下、神経機能、臓器の成熟などの全ての成長が正常であることが判明しました。
人工子宮システムの人間への応用を目指す
研究者は、「新生児に対する安全性と有効性が証明されれば、人工子宮システムはあと3~5年で利用可能になる」と言っています。
母親の代わりに子供を産む装置ではないと強調しつつ、伝染病などの危険性も考慮しながら、
低出生体重児の救命や発育につながる技術として実用化を目指す方針でさらに研究を進めています。
参照:Nature Communications
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