心房細動の脳梗塞予防、8割が不十分

 

ある日突然、脳梗塞で倒れて身体がうまく動かなくなる、身近にもそういう人を見かけたことがある人も多いでしょう。

脳梗塞は、脳を栄養する血管がつまり、十分な酸素や栄養が届けられなくなる病気です。脳梗塞の原因にはいくつかありますが、脈をリズムよく打つことができない心房細動が、脳梗塞の原因の1つであることが知られています。

 

上の図が心房細動

 

心房細動によって引き起こされる脳梗塞を予防するお薬がいくつかあるのですが、そのお薬が十分に投与されていないというアメリカからの報告です。

20%未満しか十分な抗凝固療法を受けていなかった

アメリカのDuke Clinical Research InstituteのYing Xianらは2012年10月~2015年3月の94,474例の診療記録に基づく研究の結果をJAMAに発表しました。

心房細動を持っている患者を対象に、抗凝固薬がどのように脳梗塞に影響を与えているかの実態とその転帰について観察研究をおこないました。

研究では、ワーファリンが投与されていた(INR≧2)のは7,176例(7.6%)、直接作用型経口抗凝固薬(Novel Oral AntiCoagulants :NOAC)は8,290例(8.8%)

低用量ワーファリン(INR<2)は12,751例(13.5%)、抗血小板療法のみは37,364例(39.9%)、なにも投与されていないのは28,583例(30.3%)でした。

脳梗塞を予防するために適切な薬をのむ

脳梗塞になるリスクを評価する際に用いられるCHA2DS2-VAScスコアが高い(≧2)グループでも83.5%で十分なワーファリン、NOACが投与されていませんでした。

今回の研究では、不十分なワーファリンの投与は投与していない人と効果は同じくらいで、しっかりと予防するためには十分なワーファリンを投与する必要があるとしています。

血をさらさらにする薬は、脳梗塞を予防するかわりに、脳出血のリスクをあげる場合があります。適切な量の薬をのんで脳梗塞を予防していきたいですね。

 

参照:JAMA

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