1人でも多くの命を救うチェーンオブサバイバル(救命の連鎖)

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チェーンオブサバイバル(救命の連鎖)という言葉があります。4つの輪がそれぞれ救命に関して独立した意味を持ち、それぞれの輪が繋がる事で、鎖のように見える事からこの呼び名で呼ばれています。

主に病院前の心肺停止傷病者に用いられる考え方で蘇生と救命率向上にとって重要な意味を持つものです。

それぞれの輪の意味



1つ目の輪は心停止の予防です。検診や食生活などの生活習慣や子供や高齢者が、心停止事故に合わないような環境作り等の因子が含まれます。心停止そのものを起こさないようにしよう、という考え方です。これは家族や本人が担う輪になります。

2つ目の輪は病院外心停止の早期発見と早期119番通報です。心停止事故(病気)を素早く発見し、迅速な救急要請に繋げる事で早期の対処を目指すという考え方です。これは一般市民の方々が担っています。

3つ目の輪は早期の胸骨圧迫(現在は心臓マッサージという用語は使用しない事になっています)とAED等を用いた早期電気ショックです。心停止から電気ショックまでは1分低下毎に成功率が10%ずつ低下するというデータがあります。

このため町中にもAEDが普及していますが使用率は依然として低い傾向にあります。3つ目の輪にAEDを加える事で蘇生率の向上を狙う目的が込められています。この輪も主に一般市民の方々が担っています。

4つ目の輪は医療機関における高度な救命処置と蘇生後の集中治療などのケアです。アドレナリンと呼ばれる薬剤の使用などにより蘇生率向上を目指しています。これは主に医療従事者が院内で行う処置です。

それぞれが連鎖していく


救命の連鎖はそれぞれの輪が単独で存在するわけではありません。それぞれがあたかも鎖のように滞りなく、迅速に繋がる事が重要です。そしてこれは医療従事者のみでは完成しえません。みなさんもこれを機会に、自分のできる1~3の輪について理解を深めてみてはいかがでしょうか。

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