ベンゾジアゼピン離脱症候群 ベンゾジアゼピン薬の減量は緩やかに

 


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睡眠障害や不安障害などの症状に対し、ベンゾジアゼピン系の薬が処方されることが多くあります。ベンゾジアゼピンは不安の軽減、催眠、鎮静などの効果が強く、幅広く処方されています。

ベンゾジアゼピン系の薬の機序

作用機序は、脳内の興奮を鎮めるGABAという物質の作用を強め、不安や緊張を和らげてリラックスした状態を作り出します。効果はある一方で、問題点もあります。

長期間にわたってベンゾジアゼピン系の薬を服用することで、薬に対する耐性がつき、効果が得られにくくなること、さらに身体的依存も形成されていきます。依存がつくられてしまうと、薬をやめた際にベンゾジアゼピン離脱症候群を引き起こします。

一般的に、4週間以上継続して服薬すると依存が形成されるといわれています。

ベンゾジアゼピン系の離脱症状

急に薬をやめると、それまで抑えられていた神経系の抵抗が突然消えてしまいます。そうすると反作用によって堰を切ったかのように神経系の興奮が高まります。

ベンゾジアゼピンの抗不安作用がなくなると、急性的な不安がでてきます。強い不安、焦燥感、パニック、不眠、易興奮性などの精神症状です。身体の症状としては頭痛、めまい、筋肉の痛み、脱力、耳鳴り、振戦などが出現します。

ベンゾジアゼピン離脱症状は大抵数ヶ月で治まりますが、遷延化することがあります。遷延性離脱症候群といって不眠、不安、耳鳴り、筋肉の痛み、振戦などが症状として残ります。こうして長期化した場合、数年にわたって症状が継続してしまうことがあります。

ベンゾジアゼピン系の薬剤からの離脱の仕方

急に断薬するとこのような離脱症状が現れやすくなります。2013年の日本睡眠学会の診療ガイドラインによると、服薬を中止する場合、1〜2週ごとに服用量の25%ずつ減薬し、1〜2 週間経過をみて問題がなければさらに 25%ずつ減薬するなど時間をかけて減量します。

特に、2 錠以上服⽤している、2 種類以上服⽤している、⻑期間服⽤している⽅は、 緩やかな減量が必要です。

減薬、断薬する際には医師の指示のもとに慎重に進めていくことが大切です。不眠や不安で悩んだ際には、これらのことを踏まえて医師と相談しながら薬を選択するといいかもしれません。

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